イチロー、「事実だけ伝えてくれれば」 偉業まで10本もチームは大逆転負け
「メッツ8-6マーリンズ」(4日、ニューヨーク)
マーリンズのイチロー外野手(42)はメッツ戦の八回に代打で出場し、右中間二塁打を記録した。守備には就かず、1打数1安打で打率は・340。メジャー通算2990安打で史上30人目の偉業まであと10本とした。
イチローが代打で起用されたのは同点の八回だ。敵地ファンの拍手と声援を受けて先頭で打席へ入ると、カウント0-2と追い込まれながら153キロ速球を弾き返すとライナー性の打球は右中間を真っ二つ。滑り込むことなく二塁に達した。
前夜は米プロスポーツ史上初となった軍事施設内での公式戦。チームは試合終了後に空路でニューヨークへ移動し、同市内の宿舎に到着したのは午前3時半だった。
この日の試合開始は午後4時10分。選手の疲労を軽減するため、チーム練習は行われなかったが、2試合連続で先発を外れたイチローは開始1時間半前のフィールドに出て、ストレッチ、キャッチボール、遠投などで準備した。練習を終えてクラブハウスへ引き揚げる際には左翼線席に陣取る敵地ファンにサインをプレゼントした。
試合はマーリンズが四回の攻撃を終えて6-0と主導権を握ったかに見えたが、継投策が裏目に出て七回に同点に追いつかれ、八回に新加入のロドニーが勝ち越し打を浴びて逆転負け。同点の八回にイチローの二塁打を足かがりに無死一、二塁としたが、プラドが試みた送りバントが併殺打となり、勝機を逸した。
重苦しい空気に包まれた試合後のクラブハウス。イチローは「事実だけ伝えてくれればそれでいいです」との言葉を残し、球場を後にした。