イチロー感激「ちょっと考えられない」 敵地の歓迎と相手捕手の振る舞いを語る
「カージナルス6-7マーリンズ」(15日、セントルイス)
マーリンズのイチロー外野手(42)はカージナルス戦の八回に代打で出場し、中前打。守備には就かず、1打数1安打で打率は・339。メジャー通算2991本目の安打で史上30人目の偉業まで9本とした。
イチローの登場に“ベースボールの街”が沸いた。拍手と歓声を送った観客が次々と立ち上がり、やがてスタンディングオベーションへと変わる。マーリンズのベンチがある三塁側席だけでなく、一塁側のカージナルス・ファンも背番号「51」に敬意を表した。
「ここは特別ですね。去年もそうでしたが、きょうのはちょっと考えられないですね」
イチローが思い出したのは昨年8月15日の同カード。日米通算4192安打目を放ち、歴代2位のタイ・カッブの記録を抜いた際にも総立ちで祝福された。
イチローの心をさらに揺さぶったのは、カージナルスの捕手モリーナの振る舞いだった。観客がつくり上げた空気を壊さないよう、すぐには座ることなく、ゴミを拾うふりをするなどして余韻を残した。
「いやあ、すごいですね。ちょっとびっくりしたなあ。ファンもすごいけど、なんか打ち合わせができてるような感じの動きでしたもんねえ。ちょっと感激しました」
感謝の気持ちを表すかのように快音を響かせた。通算3千安打まであと9本。一塁に達したイチローに再び、拍手と歓声が送られた。