「フィリーズ３－９マーリンズ」（２１日、フィラデルフィア）

　マーリンズのイチロー外野手（４２）は「１番・右翼」で４試合ぶりに先発出場し、三回に遊撃内野安打、八回は右前打を放って５打数２安打、１得点でメジャー通算３０００安打まであと４とした。

　休養を与えられた２６歳の主砲・スタントンに代わって４戦ぶりに先発したイチローが、偉業に向かってさらに前進した。

　三回に遊撃手の肩とのスピード勝負を制すると、八回には内角スライダーを一、二塁間へはじき返す右前打。今季３３試合目のスタメンで１７度目のマルチ安打をマークし、メジャー通算３０００安打にあと４本とした。

　１本積み重ねるごとに高まる注目度。試合後、日米台の報道陣に囲まれたイチローは「１打席でヒット２本は打てない。いつもヒットを打とうとしていることは変わらない。何回もこういうことを経験してきている。だから、それで僕が変わることはない」と平常心を強調した。

　２２日からは本拠地１０連戦。地元ファンの前での偉業達成に期待がかかるが、“第４外野手”の役割は理解している。

　「代打で１０打席だったら難しい。当たり前ですけどね。先発で毎試合とは全然意味が違う」

　１本のヒットを打つことの難しさを誰よりも知っている。「僕は何も変わっていない」。偉業を目前にしたイチローに気負う様子はまったく見られない。