「ロッキーズ２－４ドジャース」（４日、デンバー）

　ドジャースの前田健太投手（２８）がロッキーズ戦に先発。５回２／３を投げ、４安打２失点で１０勝目を挙げた。メジャー１年目で２桁勝利に届いた日本投手は、２０１４年のヤンキース・田中以来７人目。四回に逆転弾を浴びたものの粘投。打線の援護を受け、白星をたぐり寄せた。

　勝利の余韻が残るクラブハウス。前田の頬が自然と緩んだ。メジャー１年目で手にした１０勝目。「目標ではないですけど達成できてホッとしている。できてよかった」。広島で昨季まで６年連続で記録している数字。試合後に見せた安どの表情が、異国の地で成し遂げた意味の大きさを物語っていた。

　万全を期すため中５日で臨んだこの日のマウンド。思わず、空を見上げたのは四回だ。無死二塁の場面で４番ダールに逆転２ランを被弾。１マイル（約１６００メートル）の高地にある敵地は気圧が低く打球が飛びやすい。サイン通りに投げた外角高め直球を左中間席まで運ばれた。「入るとは思わなかった」。驚きを隠せなかった。

　しかし、その直後に味方打線が再逆転に成功。直球が走らない状態ながら四回以外は全く危なげのない投球で同一カード３連敗を阻止してみせた。

　前日には朗報も届いた。２０年東京五輪で野球とソフトボールが正式種目に復帰。「すごくうれしい。みんなが４年後に向けてレベルアップするモチベーションになる」と喜んだ。

　エースのカーショーが腰痛で６月末から戦線離脱。復帰の目途はまだ立っていない。プレーオフに向けて負けられない試合が続く最後の２カ月。「今まで以上に責任をもってマウンドに上がらないといけない」。前田が大きな柱となって先発陣を支え続けていく。