マエケン「単純に自分の投げミス」3回4失点黒星でチーム崖っぷち
「ナ・リーグ地区シリーズ・第3戦、ドジャース3-8ナショナルズ」(10日、ロサンゼルス)
ドジャース(西地区1位)の前田健太投手(28)がナショナルズ(東地区1位)とのプレーオフ地区シリーズ(5回戦制)第3戦に先発し、3回5安打4失点で敗戦投手になった。打者17人に対し、63球、4奪三振、3四死球。チームは1勝2敗となり、崖っぷちに立たされた。
三回を投げ終え、ベンチに戻った前田はタオルに顔をうずめたまま、微動だにしなかった。その裏の攻撃で代打を送られ、1度も打席に立つことなく降板。試合後は開口一番、「悔しいです」と率直な気持ちを言葉にした。
1勝1敗で迎えた第3戦。初顔合わせのナショナルズ打線に対し、初回の前田は28球を投じる苦しい立ち上がり。球審の厳しい判定から2者連続四球などで2死満塁のピンチを背負ったが、「それも含めて全部、野球」とピッチングに集中。6番ジマーマンを3球連続スライダーで空振り三振に斬った瞬間、グラブを叩いて喜びを表現した。
悔やまれるのは1点リードの三回だ。先頭ターナーに中前打、続くワースにはカウント0-2と追い込んだ後の3球目、捕手が中腰になって外角高めに構えたミットより低くなった148キロ直球を右翼線適時二塁打(送球間に三進)で同点。1死三塁からハーパーに初球、低めのチェンジアップを右前へ弾き返されて逆転を許すと、ハーパーの二盗に捕手の送球エラーが絡んで再び、1死三塁に。レンドンにはカウント2-2からの7球目、甘く入った146キロ直球を左中間席へ運ばれ、さらに2点を失った。
「打たれたボールはきわどいところ(コース)というよりは甘いところだった。単純に自分の投げミスだったと思う」
逆転されたイニングを振り返った前田は、3回63球で交代を告げられたことには「短期決戦ですし、4点取られれば厳しい戦いにはなると思いますし、仕方ないですね、それは」と淡々と話した。
第2戦が行われた前日は午前に敵地ワシントンで記者会見に出席した後、この日の登板に備えて試合開始前にチームから離れて単身ロサンゼルス入り。プレーボール直前にはブルペンでワインドアップ18球、セットポジション18球の計36球を投じて集中力を高めた。シリーズ初の本拠地開催試合のマウンドを任されたが、地元ファンの声援にこたえることはできなかった。