カブス、108年ぶり世界一 崖っぷちから劇的3連勝 ゾブリストがMVP
「ワールドシリーズ・第7戦、インディアンス7-8カブス」(2日、クリーブランド)
カブス(ナ・リーグ中地区1位)がインディアンス(ア・リーグ中地区1位)とのシリーズ最終第7戦を、延長の末制して対戦成績を4勝3敗とし、1908年以来、108年ぶり、3度目のワールドチャンピオンになった。
インディアンスは地元ファンの前で68年ぶりの栄冠まであと1勝としながら涙をのんだ。シリーズMVPには7試合で打率・357(28打数10安打)をマークし、この日も延長十回に決勝打を放ったベン・ゾブリスト外野手(35)が選ばれた。
1勝3敗からの3連勝。メジャー史に残る死闘に終止符を打ったのは“優勝請負人”のゾブリストだ。6-6の延長十回、1死一、二塁の好機。昨季はロイヤルズの一員としてワールドチャンピオンに貢献した35歳のベテランが鋭く左翼線に弾き返す適時二塁打。途中出場のモンテロの適時打で点差を広げた。
敵地で迎えた最終決戦。チームに流れを呼び込んだのは先頭打者のファウラーだ。初回。カウント2ボール1ストライクからの4球目、甘く入ったシンカーを完ぺきにとらえる中越えソロ本塁打で先制点をもたらした。
同点に追い付かれた直後の四回、1死一、三塁の好機には、前日の第5戦でシリーズ史上最多タイの1試合6打点の離れ業をやってのけたラッセルの犠飛で勝ち越し。コントレラスの中越え二塁打で3点目をもぎ取った。
五回には9番バエズが右中間へソロ本塁打を放ち、シリーズ第1、4戦で2勝を挙げているエースのクルバーをマウンドから引きずり降ろす。2番手で登板した、ア・リーグ優勝決定戦MVPのミラーからも1点を追加した。
カブスのマドン監督が動いたのは5-1の五回だ。先発ヘンドリックスが2死からこの日初となる四球を出すと、ブルペン待機していたエースのレスターを迷わず投入。3日前の第5戦で6回、90球を投じて勝ち投手になっている左腕は内野安打に失策、暴投が絡んで2点を失うも六、七回を無失点で切り抜けた。
インディアンスに傾きかけた流れを止めたのは、レスターとともに途中出場した捕手のロスだ。2点差に詰め寄られた六回にミラーから中越えソロ本塁打。今季限りの引退を表明している39歳の一撃でレスターが本来の調子を取り戻した。
継投が裏目に出たのは八回。2死一塁からレスターに代わってマウンドに上がった抑えのチャプマンが代打ガイヤーに右中間適時二塁打を許してなおもに2死二塁。さらに7番デービスに2ランを浴びて追いつかれた。第2、3、5、6戦に続く5試合目の登板。球威は落ちていたが、それでも守護神への信頼は揺らぐことなく、九回も続投させて延長戦にもちこんだ。
2点リードの延長十回、インディアンスの反撃に遭い、1点差に詰め寄られたが、小刻みな継投で逃げ切って108年ぶりの栄誉を手にした。