青木「駆け引きしてるのがよく分かる」守備位置から見たイチローの打撃に感服
「オープン戦・アストロズ5-5マーリンズ」(29日・ウエストパームビーチ)
アストロズの青木宣親外野手(35)は「9番・中堅」で出場し、2打数1安打1打点だった。六回の守備から左翼に移り、志願して3打席に立った後、八回の守備で交代した。
三回の第1打席は二塁内野安打。右腕ストレイリーに対し、2ボールからの3球目、内角146キロを打って出て、弾んだ打球が一塁手のグラブをかすめて二塁手の前に転がる間に一塁を駆け抜けた。五回無死一塁の場面は遊ゴロ併殺打。カウント1-2から外角低めの137キロ変化球にバットを合わせたが、打球は野手の正面だった。1点を追う七回1死満塁の好機は初球を打って左犠飛だった。
いつもより早く試合前のフィールドに出て待ち続けた。お目当ては対戦相手、マーリンズのイチロー。青木は背番号「51」が外野でウォームアップを始めたのを見計らって駆け寄り、笑顔であいさつした。「いつもどおりのイチローさんでした」。時には笑顔で、時には真剣な表情で、身振り手振りを交えながら、約10分間、話し続けた。試合前の状況を考えれば、十分な時間にも思えたが、「もう少し話したかった。短すぎた」。すべてを伝えきれなかったことを残念がった。
キャンプ地最終戦で実現したイチローとの今季初競演。テンションが上がったのは試合前だけではなかった。初めてセンターの守備位置からイチローの打撃を見た。「きょう、俺、センターから見たからすごいよく見えて、よかった」。イチローが三回に放った技ありの左翼線二塁打には「あれは、“(イチローさん)っぽい”よね。流し打ちで、きれいにパチン!って。センターから見れたのは大きいね。駆け引きしてるのがよくわかる」と嬉しそうに話した。
チームは同地で約1カ月半にわたってキャンプを張ったが、青木自身はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加するために約3週間、チームから離れた。
侍ジャパン唯一のメジャーリーガーとしてチームを引っ張り、東京で行われた1次、2次リーグを突破。ロサンゼルスでの準決勝を前に滞在したアリゾナが「きつかった」と青木。「(日本との)時差があり、移動も多かった。気候もあるだろうね。日本でもあれだけのプレッシャーでやってきたから」と説明した。
キャンプ地でのオープン戦は5試合しか出場できなかったが、打率・357(14打数5安打)と結果を残した。30、31日は本拠地ヒューストンでカブスとオープン戦2試合を行い、4月3日に開幕を迎える。「いい形でキャンプを終えられたと思う」。そう言って青木が充実感いっぱいの表情を見せた。