田沢「ほんと、勝ってよかった」 勝ち越し被弾も打線奮起で逆転勝ち
「ナショナルズ3-4マーリンズ、延長十回」(6日・ワシントン)
マーリンズの田沢純一投手(30)が2-2の八回に4番手で登板し、1回1安打1失点。一旦は勝ち越しとなるソロ弾を許したが、味方打線が九回に同点に追いつき、敗戦投手をまぬがれた。チームは延長十回に勝ち越し、開幕3戦目で初勝利を挙げた。
痛恨の1球だった。2死から迎えたジマーマンへの1ボールからの2球目、外寄りに投げたはずのカーブが甘く入った。
快音を残して弾かれた打球は中堅イエリチが伸ばしたグラブをかすめ、フェンス最上部に当たったかに見えたが、球審によるビデオ検証の結果、フェンスを越えたと判断。三塁打は本塁打に訂正された。
「投球自体は悪くなかった。打たれたボールも。いいバッターだったんで、もう少し外に投げれば、ボール気味にいってもよかったかなと」。ジマーマンとは2年前に1打席対戦だけ(結果は四球)。「あまりバッターを知らないというのも、自分のミスだったかなと思います」と悔やんだ。
前回、今季初登板となった3日の試合は制球が乱れ、1死も取れずに1安打2四球1失点で降板。投げなかった2日間はビデオで投球フォームをチェックしたり、体の感覚を確認して調整した。
この日は、先頭ハーパーには初球カーブでストライクを取り、148キロ直球でファウルを打たせて追い込むとボール1つを挟んで4球目、143キロスプリットで一ゴロ。マーフィーにはカウント2-1からの4球目、内角150キロで右飛に仕留めた。被弾後に迎えたレンドンにはボールが先行し、カウント3-1となったが、最後は一飛でイニングを締めた。
「前回はストライクも入らなかったので、それに比べればよかったかなと思うんですけど、1球に泣いた」と田沢。「(味方打線が)逆転してくれたからよかったんですけど、終盤の競(せ)ってる場面で無失点でいれけばよかったかなと思います」。開幕カード3連敗を阻止する今季1勝目。安どの空気が流れるクラブハウスで田沢の表情は硬いままだった。