イチロー今季初安打「200本目の打席と何ら変わらない」1打席の大切さを説く
「メッツ1-8マーリンズ」(8日、ニューヨーク)
マーリンズのイチロー外野手(43)は九回に代打で途中出場し、右前打を放った。その裏の守備では右翼に入り、今季初めて守備機会もあった。1打数1安打1得点。今季出場3試合3打席目で初安打をマークし、メジャー通算安打数を3031本とした。
マーリンズが5点をリードした展開。敵地ファンにとっては敗色濃厚な状況にもかかわらず、「代打・イチロー」の場内アナウンスに歓声と拍手が起こった。
九回無死一塁の場面。相手は過去の対戦成績5打数2安打の右腕、モンテロだ。カウント3-1。打者有利のカウントからの5球目、低めに入った145キロ直球を振り抜くと鋭い打球は一、二塁間を破ってライト前に達した。
17年目のシーズンで記録した最初の1本。感想を求められたイチローは苦笑いしながら「差し当たってないですけど」と短く返答。その時は感情を見せることはなかったが、その後の質疑応答で「あの1打席は僕にとって(シーズン)200本目の(ヒットを記録した)打席と別に何ら変わらない」と話し、1打席の大切さ、大きさを説いた。
今季初安打で無死一、二塁と好機を拡大すると、後続の内野安打で二塁に進み、内野ゴロの間に三進。さらにリアルミュートの左前適時打で今季初得点も記録した。
前夜は3試合ぶりに出番なし。ここまでチーム4試合のうち2試合に代打で出場して無安打だったイチロー。この日の試合前練習の合間には体のキレを保つため、外野フェンスに沿ってダッシュを繰り返す姿があった。
九回裏には右翼に入り、今季初めて守備に就いた。1死からフェンス近くまで飛んだ打球を後退しながらグラブに収めた。わずか1イニングの守備。イチローは「無駄なものは何もないですよ」と言った。