イチロー「信じて行きました」33メートル激走美技
「レイズ6-10マーリンズ」(3日、セントピータースバーグ)
マーリンズのイチロー外野手(43)は「9番・右翼」で出場し、4打数1安打1四球だった。打率は・152(33打数5安打)。11試合ぶり今季4度目のスタメン出場で六回に4月21日のパドレス戦以来、10戦13打席ぶり(2四球含む)のヒットとなる右前打を放って、メジャー通算3035安打とした。チームは逆転勝ちで連敗を2で止めた。
「I GOT IT!(俺が捕る!)」。
打球を追いかけようとした二塁手を大声で制しながら快足を飛ばした。1点を返され、リードが4点に縮まった直後の九回2死一塁。4番ソーザが打ち上げた浅い打球をイチローが鮮やかなスライディングキャッチでグラブに収めた。
「僕が声を出したんで(二塁のロハスは)どいてくれると信じて行きました」。
MLBのデータ解析システム「スタットキャスト」によると、守備位置から落下地点までイチローが走った距離は32・6メートル。敵地ファンのどよめきの中、地面すれすれのボールをすくい上げるようにして捕球した瞬間、打ったソーザは一塁ベース上で悔しさをあらわにし、一塁手のボアは万歳ポーズで美技を称賛した。
捕球後、さっと立ち上がり、何事もなかったかのように勝利の列に加わったイチローだったが、試合後は「入ってくれれば、という感じです」とギリギリのプレーだったことを明かした。