イチロー、敵軍投手のノーヒッターを阻止の同僚に「グレート・ジョブ!」
「マーリンズ2-1ナショナルズ」(21日、マイアミ)
マーリンズのイチロー外野手(43)は六回に代打で途中出場し、二ゴロだった。守備には就かず、1打数無安打で打率は・216(88打数19安打)。チームは昨季のサイ・ヤング賞右腕、マックス・シャーザー投手に八回途中まで無安打に抑えられていたが、ベテラン捕手のエリスの内野安打を機に反撃に転じ、守備の乱れにも乗じて逆転勝ちを収めた。
この日のイチローの出番は0-1の六回だった。先頭で打席に立ち、ノーヒットノーランを継続していたシャーザーと対戦。カウント2-1から内角低めの143キロスライダーを空振りして追い込まれた後、154キロ直球をファウルにする粘りを見せたが、6球目、内寄り145キロスライダーをとらえ切ることはできず、二ゴロに倒れた。
打席では悔しい思いをしたイチローだったが、ゲームセットの瞬間は笑顔でベンチから飛び出し、仲間たちとハイタッチを交わした。
マーリンズ打線は八回1死まで無安打無得点11三振。地元ファンの前で沈黙していた打線を生き返らせたのは36歳のエリスだった。投手前に大きく弾んだ打球をシャーザーが捕球ミス。遅い足で一塁を駆け抜けて内野安打を記録した。続くリドルの二ゴロで2死二塁。ここでマッティングリー監督は先発投手のウレーニャをエリスの代走に起用した。
代打リアルミュートは三ゴロの当たり。しかし、三塁からの送球を一塁手がこぼして一、三塁とした後、ゴードンの死球で2死満塁。続くスタントンへのカウント1-2からの4球目が暴投となり、ウレーニャが足から滑り込んで同点に。直後に左前適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。
1点リードを守護神のラモスが守り切り、劇的な逆転勝ち。シャーザーの偉業を阻止したエリスは「試合中の雰囲気はずっとよかった。1-0だったし、1本出れば状況は変わると思っていた。一発のある選手でそろっているし、気持ちはポジティブだった」と振り返った。試合後はイチローからは「グレート・ジョブ!グレート・ゲーム!」と声を掛けられ、笑顔でこぶしを突き合わせていた。