イチロー「売れ残った大きな犬みたい」 所属先決まらず「44歳頑張る」
米大リーグ・マーリンズからFAになっているイチロー外野手(44)が23日、故郷の愛知県豊山町で「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席し、自身の現状を「ペットショップに売れ残った大きな犬」と自虐的に表現した。日本球界復帰については「可能性という言葉を使えば両方ある」と完全否定はしなかった。
将来のプロ野球選手を夢見る野球少年たちの前で、イチローが率直に胸の内を明かした。
「アメリカっていうのは44歳っていうのが引っかかるらしいのね。仕事の面接とかでは年齢は聞けないんだけど、年齢的に44歳のおじさんはどーなのっていうのがね」。実力でなく年齢で自分を判断するメジャーの風潮に悔しさをにじませた。
所属先が決まらない状態での里帰りは、ヤンキースからFAになった14年オフ以来。「ペットショップに売れ残った大きな犬みたいな感じ。元気なんだけど、元気だと見せる機会もない」と“成犬”である自分が敬遠されている境遇をジョーク交じりに口にした。
閉会式での大会長・イチローのあいさつは恒例行事。珍しく、選手から質問を受け付けると「日本球界復帰の可能性はありますか?」とド直球の質問が飛び「ややこしいこと聞くね~」とのけぞる場面も。「可能性という言葉を使えば両方あります。これは僕の逃げの言葉。ゼロじゃない限りは可能性はあります」と含みは残した。
メジャー17年目の今季は先発出場の機会に恵まれない中、シーズン代打安打のメジャー記録にあと1本と迫る27安打を放つなど存在感も発揮。「もちろん来年も野球選手でいたい。44歳も頑張ろうと思います」。苦しい境遇にあってもメジャーで戦う自信と覚悟をうかがわせた。