元ロッテ中後、招待選手で大リーグキャンプに参加「結果を残してもう一度、NPBに」
昨季ダイヤモンドバックス傘下のマイナーでプレーした中後悠平投手(28)が13日(日本時間14日)、米アリゾナ州スコッツデールの同チーム施設内で自主トレを行った。14日から始まるメジャーのスプリントトレーニングには、前年に続き招待選手として参加する予定。家族を日本に残し、再び大きな夢に向かって走りだした。
日本ハム1-2LGツインズの練習試合が終わった直後、見覚えのある変則左腕がキャッチボールを始めた。近大から2011年度ドラフト2位でロッテに入団し、“千手観音投法”と注目された中後。同施設は日本ハムもキャンプ地として共有しており、報道陣も集結。ごく自然な流れで“登場”となった。
「家族が日本にいるので、寂しい気持ちはあります。でも、それで逆に『やったろう』という気持ちになりました。しっかりこっちで結果を残してもう一度、NPBに挑戦したいという思いもあります。ここまで調整も順調にきていますし、あとはやるだけですね」
高校時代は無名だったが、進学した近大で才能が開花。最速151キロのキレ味抜群の直球を上手、横手、下手と打者や状況によって投げ分け、相手を翻弄(ほんろう)。所属する関西学生リーグでは同志社大・小林(巨人)、立命大・金子侑(西武)らとしのぎを削り、アマ球界を代表する投手に成長した。
ロッテに入団すると、主に中継ぎとして活躍。3年間で37試合に登板し2勝2敗、6ホールド、防御率5・68。15年オフに戦力外通告を受けてからはBCリーグ・武蔵、米ダイヤモンドバックスのマイナーと渡り歩き、NPBを目指してきた。
この日はキャッチボールの最中に、日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(早実)のテレビインタビューが始まった。「うわー、清宮君だーと思って。見られて良かったです(笑)」。次代を担う黄金ルーキーの輝きを肌で感じ、気持ちを新たにした中後。こちらも28歳と、まだまだ脂が乗っている。「僕も(囲み取材を)やるんですか(笑)?」。笑顔の奥に見える並々ならぬ闘志は、誰よりも熱く燃えていた。