エンゼルス・大谷、初ブルペンで正捕手うならせた フリー打撃では150メートル弾
「エンゼルス春季キャンプ」(15日、テンピ)
エンゼルスの大谷翔平投手(23)が、キャンプ2日目で初めてブルペンに入った。正捕手のマーティン・マルドナド(31)を相手に変化球を交えて36球を投げた。投手メニュー終了後に行ったフリー打撃では35スイング中12本の柵越え。初めて視察したアート・モレノ球団オーナー(71)の前で堂々の二刀流を披露した。
全員の視線が一点に注がれた。ソーシア監督、ナギー投手コーチ、エプラーGM、そして初視察のモレノ球団オーナーら経営陣。その目がブルペンの背番号「17」にくぎ付けになった。
まずはセットポジションから10球連続でストレートを投じ、カーブを3球続けた。しなやかなフォーム。20球目でスライダーを投げたところで一度、マウンドを降りた。
「アップ&ダウン」と呼ばれる実戦の球数を想定した練習法。約10分間の休憩を挟み、投球を再開。スプリットを加えてさらに16球を投げたが、制球が定まらず、天を仰ぐ場面もあった。
投球前には首脳陣から「そんなに力を入れなくていい」と伝えられた。まだ、試運転の状態とあって「投げられたのはすごい良かったんですけど、内容的にまだまだこれから上げていく必要がある」と大谷。本人に満足感はなかったが、初めてバッテリーを組んだマルドナドは「球離れ、スピンの掛かり具合ともに素晴らしかった。成功している投手はやっぱり違う」とうなった。
投手用メニューを消化した後は別メニューで調整した。キャッチボール、下半身強化のトレーニング、トス打撃、最後は捕手陣のフリー打撃に加わった。
前日はメジャー流のペースに戸惑いながら33スイング中、7本の柵越え。しかし、この日は35スイングで推定150メートル弾を含む12本の柵越えを放ち、適応力の高さを見せつけた。飛距離を意識した後半は19スイングで11本がフェンスを越えた。
打撃練習の途中にはモレノ球団オーナーからあいさつを受けた大谷。二刀流が本物であることをしっかりアピールした。