大谷33発ペース!ルース以来100年ぶり快挙へGO!敵将感嘆「彼は我々を支配」
「エンゼルス7-4ツインズ」(10日、アナハイム)
二刀流の勢いは止まらない。エンゼルスの大谷翔平投手(23)が豪快な一発をたたき込んだ。アナハイムでのツインズ戦に「5番・指名打者」でフル出場。三回に適時二塁打を放つと、七回には中堅左へ、4月27日以来となる飛距離126メートルの5号ソロで地元ファンを魅了した。投手では現在3勝。ベーブ・ルース以来100年ぶりの「2桁勝利、2桁本塁打」も決して夢ではない。
全力疾走は必要なかった。確かな手応えを感じながら中堅フェンスを越える打球を見届けた。「イメージ通りでした。甘かったですけど、しっかり打てた」。飛距離126メートルの驚弾。指名打者での出場16試合目で5本目の一撃を大谷が自画自賛した。
4日のマリナーズ戦以来、5試合ぶりとなる打者でのスタメン。試合前のフリー打撃ではミスショットが目立ち「そんなに良くなかった」。二回の第1打席も高めの151キロ速球を捉えられず空振り三振。しかし、ここからが大谷の真骨頂だ。
「捕手がどんな配球をしてくるのか。投手の投げやすい球を優先するのか、打者を優先するのか」。次の打席に向けて相手バッテリーの心理を探る。「試合中も動きながらいい打球が打てるイメージをしている」。ポジティブ思考も大切なルーティンだ。
三回2死二塁の第2打席はチェンジアップを捉えて右中間適時二塁打。六回は飛距離101メートルの左飛に倒れたが、七回は初対戦の横手右腕の初球、浮いた外寄りの146キロシンカーを逃さず、7戦24打席ぶりの5号ソロ。テクニックとパワーを存分に見せつけ、現役時代にメジャー通算3319安打を残した敵軍モリター監督をして「彼は我々を支配していた」と言わしめた。
オープン戦は11試合で打率・125。米メディアからは「高校生並み」と揶揄(やゆ)された。開幕直前にヒンスキー打撃コーチの助言を基に打撃フォーム改造に着手。右足の動きを省略することできっかけをつかんだ。規定打席には達していないが、打率・354は60打席以上でリーグ2位の成績。それでも大谷は「まだ完璧に自分のものになっているというわけではない」と言い切る。
球団関係者によると、開幕後の活躍で米メディアから単独取材の申し込みが増えている。しかし、大谷は「自分はまだ何も成し遂げていない」との理由で取材を断り続けているという。
開幕からおよそ1カ月半。すっかり「ベーブ・ルース以来の」という枕詞を見かけなくなった。大谷がメジャーでも二刀流としての地位を築き上げたことを意味する。