先発5人制でもサンデー・ショウヘイの訳…残りの4人が中4日
エンゼルスの大谷翔平投手(23)にとって、メジャーでの二刀流実現のカギになると思われていたのが先発投手6人制だ。ところが、開幕から1カ月以上が経過してもチーム内に実践される気配はなく、エ軍は他球団と同じ先発5人制を採用している。にもかかわらず、大谷は開幕から基本的に中6日=週イチのペースでマウンドに上がり続けている。その理由を探る。
春季キャンプ中から先発6人制が大きな注目を集めてきた。ところが、報道陣からその質問を受けるたび、エ軍のソーシア監督は「いつかやる」、「そこは臨機応変に」との言葉でお茶を濁してきた。
12日のツインズ戦の試合前にも先発ローテに関して、こんなやりとりがあった。
エ軍は8日のロッキーズ戦から13連戦の真っただ中。21日の休日の後は今季最長の16連戦が待っている。30日間で29試合をこなす超過密スケジュールだ。二刀流実現のためとはいえ、大谷が週1回のペースで投げていては5人ローテを維持できないのでは?そんな疑問に指揮官が即答した。
「ショウヘイには中6日ではなく、中5日で投げられるようになってほしい」
以前も同じような内容の発言があったが、それらの言葉をうのみにすれば、大谷にとっては“新たな挑戦”になる。しかし、それが理想であることはその後の話を聞けばすぐに理解できる。
「ショウヘイが週イチのペースを維持しても他の4人を彼の前後に入れ替えていけば、通常の休みを取りながら回していけるだろう」
端的に言えば、大谷を中6日で、残りの4人を中4日で登板させるという意味。実は、この形はオープン戦で実践済みだ。開幕直前からここまで4人の先発投手がケガをしたのは大きな誤算だが、エース格のリチャーズは「公式戦に入っても問題なくやれている」と断言。2番手のスカッグスは「まだ何とも言えない」と話すにとどめているが、リチャーズ同様、中4日を基本にマウンドに上がっている。
大谷には将来的に登板間隔を1日縮めるという話は一度もしていないという指揮官。「言えば、彼は中3日で投げたがる」とジョークを飛ばし、周囲に大谷は投げる気持ちが強いという印象を与えつつ、「それ(中5日)はきょう、あすの話ではない。来月か、いや、もしかしたら今季はやらないかもしれない」と付け加えている。
現在の懸案事項は先発陣よりも救援陣。先発投手を6人に増やす余裕などない。「(先発陣に関して)何も変えることはない」。ケガや試合日程の変更がない限り、今後も“サンデー・ショウヘイ”で投げ続けることになりそうだ。