大谷4勝 球団史上最速50K またまた勲章

 「エンゼルス5-2レイズ」(20日、アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)がレイズ戦でメジャー移籍後自己最長の7回2/3、同最多の110球を投げ、6安打2失点、9三振1四球の力投で4勝目(1敗)を挙げた。先制弾を許した後に12者連続でアウトを奪うなど圧巻の投球で逆転勝利を呼び込み、チームの連敗を5で止めた。

 マウンドを降りる背番号「17」を地元ファンが総立ちで称えた。4-2の八回1死一塁。これまでのように走者を残して降板した悔しさはない。「きょうはいい流れで降りられた。勝てる確率の高い降り方」。充実感いっぱいの110球。投手・大谷が初めて帽子を取って称賛の声に応えた。

 圧巻の投球は三回からだ。先頭の9番打者に初球151キロ直球を左中間へ被弾し、先制点を献上した。しかし、ここからが真骨頂。続くメジャー11年目のスパンを150キロスプリットで空振り三振に仕留めると、六回まで12者連続アウト。最速159キロの直球と切れ味鋭い変化球で相手打線を翻ろうした。

 「逆転するまでは耐える投球が必要でしたし、その後は勝つために全力で攻める。メリハリはあった」

 イニングを締める度に激しくグラブを叩いて感情を爆発させた。主砲トラウトが「本当に相手を支配している」とうなるほどだった。

 3-1の七回1死一、二塁、この日最大のピンチも無失点で切り抜けた。その時点で99球。既に今季自己最多を更新していたが、八回も続投した。「個人的には球数は気にしないですし、ゲーム中にあと何人ということも考えない。一人一人しっかり抑えたいと思っていた」。渾身(こんしん)の投球で首脳陣の期待に応えた。

 球団史上最速で50奪三振を記録。ソーシア監督は今後も110球を目安に登板させることを明言した。大谷の登板試合は6勝1敗。「直接、勝ちが付かなくても、勝てるチャンスを作るのも仕事」。そう話す23歳が発するオーラは既にエースのそれだった。

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