投手・大谷、前半戦絶望的 右肘内側側副靱帯損傷、初のDL入り 球宴出場も困難
二刀流に試練が訪れた。エンゼルスは8日(日本時間9日)、大谷翔平投手(23)が右肘の内側側副靱帯(じんたい)の損傷で自身初となる10日間の故障者リスト(DL)に入ったことを発表した。3週間のノースロー後に今後についての方針を決めるが、投手としての前半戦復帰は絶望的。オールスター出場や、ベーブ・ルース以来の「2桁勝利、2桁本塁打」達成も厳しい状況になった。
この日午後に緊急電話会見を開いたエプラーGMによると、大谷が右肘に異変を訴えたのは2日前に登板した6日(日本時間7日)、ロイヤルズ戦の降板後だった。右手中指のまめの影響で四回、63球で交代した試合。「まめの治療を受け、アドレナリンが収まった後に肘が張っていると言ってきた」という。
チームはその日の試合後に次カードの遠征地ミネアポリスへ飛んだが、大谷を帯同させないことを決定。翌7日、医師の診断と精密検査の結果、内側側副靱帯に損傷が見つかった。症状は3段階(最重度はグレード3)のうちの2番目「グレード2」だった。
ただし、靱帯は「断裂」ではなく、「捻挫」と発表されており、「医師からも手術の意見は出なかった」と同GM。診察後に保存療法としてPRP(多血小板血しょう)と幹細胞の注射を受けたという。
復帰時期について同GMは「3週間は投げさせずに様子を見て今後のことを考えていきたい」と、今月末までノースローの方針を明言。打者での出場には「スイングして(悪化の)リスクの可能性を回避するために同じように3週間は振らせない」とノースイングを命じた。
開幕から2カ月。二刀流が本物であることを証明した矢先のアクシデント。本人から肘の状態がよくないと伝えられたソーシア監督は「2人の重要な選手を失った。彼は特別な選手だ」と表現。「残念だが、前に進むしかない」と球団全体の気持ちを代弁した。
打者専念で7月上旬復帰の可能性はあるが、投手としては前半戦絶望的。オールスター出場はかなり厳しくなり、ベーブ・ルース以来の「10勝・10本塁打」にも黄信号がともり始めた。