大谷、打者復帰へGOサイン GM「ショウヘイもうれしいのでは」
右肘内側側副靭帯の損傷で故障者リスト(DL)入りしているエンゼルスの大谷翔平投手(23)が28日(日本時間29日)、打者として復帰に向けて打撃練習を再開した。この日、電話会見を行ったビリー・エプラー・ゼネラルマネジャー(GM)が明かしたもので、現時点では手術の必要性はなく、投手としての復帰は3週間後に予定されている検査の結果を見て計画を立てるという。
6日のレイズ戦後に右肘の張りを訴えてDL入りした大谷は翌7日に保存療法としてPRP(多血小板血しょう)と幹細胞の注射を受けた後、患部の状態を見ながらリハビリを開始。当初の予定どおり、治療から3週間後のこの日、ロサンゼルス市内の病院でMRI(磁気共鳴画像装置)の検査を受けた結果、靭帯に回復していたため、医師から打者としての復帰にGOサインが出された。患部の状態について同GMは「詳細は言えない」と話すにとどめたが、「どの医師からもショウヘイに(靭帯再建)手術が必要とは言われていない」と力説した。
エプラーGMによると、大谷はこの日から打撃練習を再開。あす29日の打撃練習後の状態も良好ならば、今週末にも実戦形式の打撃練習に入るという。現在、遠征に出ているチームへの合流時期や戦列復帰に関しては「日々、状態を確認しながら」と明言は避けたが、リハビリが順調ならば、7月上旬復帰の可能性も十分に考えられる。
戦線離脱からすでに3週間が経過。試合勘を取り戻すためには通常、マイナーの試合に出場して調整するが、同GMは「環境をコントロールできるようにプライベートな形で進めていく。公の場では行わない」と非公開で調整していくことを明言。その理由として「状態に応じて打席数や投球回数を決めることができ、より構造的に、より自由に(リハビリを)進めていくことができる」、「DHのため、守備の必要性がない」と説明した。
投手としての今季中の復帰の可能性について同GMは「3週間後にもう一度、検査を受けて経過を見ていきたい」と、依然として慎重ながらも否定はせず。この日の結果に「個人的にはとても喜んでいる。彼は打者としても投手としてもこのチームにとって重要なメンバーだ。チームに戻る段階にきていることをうれしく思っている」と自身の心境を語りながら「ショヘイは競争心が強い選手だということを知っているので、野球ができないことに満足していないし、プレーしたいという飢えた気持ちでいると思う。でも、きょうで一歩前進したことで本人もうれしいのではないか」と大谷の気持ちを代弁した。