大谷“苦手”左腕に反撃開始 敵軍左腕「1つのミスの代償は大きい」
「ドジャース3-2エンゼルス」(13日、ロサンゼルス)
エンゼルスの大谷翔平投手(24)が2-3の九回に代打で出場し、中継ぎ左腕から左中間二塁打を記録した。メジャー移籍後は苦にしている左腕から飛距離108メートルの豪快打を放ち、1打数1安打で打率を・285とした。
この日までの対左腕の打率は・143(35打数5安打)。苦手意識はないと言い続けてきた大谷が代打で登場したのは1点を追う九回1死走者なしの場面だった。
本拠地が隣接することから「フリーウェイ・シリーズ」と呼ばれている交流戦。打席に向かう背番号「17」に超満員5万3368人が詰まった敵地スタンドからはブーイングと歓声が起こり、フィールドは異様な空気に包まれた。
マウンド上には左腕のアレキサンダー。初対決となった6日の試合では空振り三振に仕留められている。初球、内角151キロのシンカーを大きく空振り。スタンドからはどよめきが起こった。2球目は外角低めの137キロスライダーを見送りボール。3球目、内角低めいっぱいの150キロシンカーを見送り追い込まれた後、内角低めの151キロシンカーをファウルにし、続く外角低めに逃げる138キロスライダーをしっかり見切ってカウント2-2。6球目、真ん中に入ってきた151キロシンカーにバット一閃。初速166キロの打球は痛烈なラインドライブとなって左中間を真っ二つ。大谷は滑り込むことなく、二塁を陥れた。
代打の場面。相手左腕に対して右打ちのマルテの起用も考えられたが、試合後のソーシア監督は「(6日に)アナハイムで対戦して相手のボールを見ている。あの場面でショウヘイを起用することに迷いはなかった」と説明。同点になる走者として出塁し、相手を追い詰めた一打を「いいスイングをしていた」とたたえた。
6日の対戦では大谷を150キロ台のシンカーで2つの空振りを奪って追い込んだ後、外角低めのスライダーで空振り三振を奪ったアレキサンダーは「ツーストライクに追い込んだ後は厳しい球を投げないといけない。このリーグでは1つのミスの代償は大きい」と話し、大谷との対戦はいい教訓になったようだった。
この日の左腕攻略で対左腕打率は・167(36打数6安打)。依然として分は悪いが、10日のマリナーズ戦で八回に左前打を記録した左腕のエリアスも今季2度目の対戦だった。あらためて適応能力の高さを証明した大谷が反撃を開始した。