大谷 投の悲報こらえ2発!日本選手メジャー1年目最多タイの18号
「レンジャーズ3-9エンゼルス」(5日、アーリントン)
エンゼルス・大谷翔平投手(24)が「3番・指名打者」でフル出場。17、18号を放ち、メジャー1年目の日本選手の本塁打数で2位の松井秀喜(2003年、ヤンキース)を抜き、1位の城島健司(06年、マリナーズ)に並んだ。しかし、この日の試合前に遠征先のアーリントンでMRI検査を受けた結果、右肘靱帯(じんたい)に新たな損傷が判明。投手復帰まで1年以上かかるとされる肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を医師に勧められていることが発表された。
耳に心地よい衝突音。高々と舞い上がった白球がゆっくりと落ちていく。ねじ切った体にバットが絡む。一連の流れはまさに芸術。アーチスト・大谷の真骨頂だった。
5点リードの五回だった。大谷の黒バットが初対戦の右腕、ビベンズダックスの初球、内寄り直球を完璧にとらえた。2戦連発。右翼席前列に飛び込む17号ソロ。「まだまだいけるようにもっと明日から頑張りたい」。尊敬する松井氏に並んだ前夜に口にした言葉を実行に移した。
7-3の八回1死一塁の場面では、8月18日に代打弾を見舞っている右腕バトラーを再び粉砕した。測ったかのように右翼席最前列に飛び込む18号2ラン。8月3日以来、自身2度目の1試合2発。ダメ押し弾で歴代1位の城島をとらえた。
悪い知らせは突然だった。試合前、球団から大谷の右肘靭帯に新たな損傷が見つかったと発表された。6月に判明した傷は保存療法で修復できたが、今回のは「担当医は手術を勧めている」という衝撃的なもの。試合前のソーシア監督と電話会見に応じたエプラーGMは「非常に落胆している」と口をそろえた。
2日のアストロズ戦で88日ぶりの復帰登板を果たしたばかり。この日は球団の意向で取材に応じなかった大谷について、同GMは「彼も落ち込んでいるはずだ」と言った。
古巣・日本ハムの本拠地、北海道に地震があったことも知っているはずだ。心の動揺を見せるどころか、被災地に届けとばかりの1試合4安打3打点。移籍後最多の4得点。指揮官は「これ以上ないほどの活躍だった。彼はいつも強い気持ちでプレーしている。きょうの彼は真の打者だった」と最上級の賛辞を贈った。
手術の判断を含め、今後のことは球団と10日(同11日)の話し合いで決めていく。医師からは打者での出場を許されている。残り22試合。大谷が打って、打って、打ちまくる。