大谷「いい仕事できた」技あり打と四球で逆転勝利に貢献
「アスレチックス7-9エンゼルス」(18日、オークランド)
エンゼルスの大谷翔平投手(24)は「5番・指名打者」で出場し、2打数1安打2四球、1得点だった。打率は・291。六回に左前打を放ち、チームの逆転劇を演出した。
大谷の魅力は長打力だけじゃない。技ありの一打は3点を追う六回1死一、二塁の打席だ。ワンポイントで投入された左腕バクタ-に対し、カウント2-2からの5球目、内角高めの148キロ速球を左前へ運び、好機を拡大。後続に2点適時打、さらには逆転満塁弾が飛び出し、「しっかりつないでいい仕事ができたかなと思います」と胸を張った。
打った相手は開幕直後の2打席でいずれも一ゴロに打ち取られていた。「球団数も多いですし、毎回毎回、(相手投手は)なじみのないというか、同じではないので、ゲームに入る前にどういう感じだったかなというのを思い出すのは大事と思っています」。今季は左打者を打率・181に封じている左キラーをしっかり攻略した。
この日は選球眼も光った。3点リードの八回に7番手右腕ギアリンに対し、フルカウントから8球目、外角低めのきわどいスライダーを見極めて四球で出塁した。自身は生還できなかったが、追加点の突破口を開いた。
この日の4打席を「全体的にボールもしっかり見れてましたし、打つべき球をしっかりヒットにできたので良かったかなと思います」と振り返った大谷。ツーストライク後のアプローチには「追い込まれた後っていうのは難しいと思うんですけど、必ずしも前に飛ばす必要はないですし、粘っていれば、甘い球が来たりとか、カウントが悪くなったりだとか、そういうのも大事かなと思います」と話し、「(四球は)ヒットと同じくらい大事だと思います」と続けた。
大谷は2日前の試合で二塁へ滑り込んだ際に左足首をひねった。前日はオフだったこともあり、患部は順調に回復。八回に出塁した際にはシモンズの打席で完璧なスタートを切った。
シモンズが強振した打球は二遊間を割ってセンターへ。大谷が二塁へスライディングし、その後、ベース上で苦笑いを浮かべたことから今季10盗塁目となる二盗を試みたかに見えたが、「あれはサイン」と大谷。「三塁まで行ければよかったかなというところでしたけど、(自分が)走ったので(敵軍の)二遊間も(二塁ベースに)寄るので滑りに行った。三塁まで行ければよかったかなと思います」と説明した。
9月に入って13試合連続スタメン。月間成績は打率・370、出塁率・463、5本塁打、12打点、13得点と好調を維持している。試合前にはソーシア監督が大谷の新人王獲得を確信するコメントを発した。それを伝え聞いた大谷は「すごいうれしいことだなあとは思うんですけど、残り試合をまずはしっかり一つでも成長できるように1試合、1試合、大事にいきたいなと思います」と気持ちを引き締めた。