【解説】新人王の大谷 「質」がアンドゥハーの「量」を凌駕した

 大リーグの新人王が12日(日本時間13日)に発表され、ア・リーグでエンゼルスの大谷翔平投手(24)が01年のマリナーズ・イチロー以来17年ぶり、日本選手4人目の新人王に選出された。移籍初年度からベーブ・ルース以来の本格的な二刀流に挑んだOHTANIが、かけがえのない勲章を手にした。 下馬評は大谷とアンドゥハーの一騎打ち。接戦さえ予想された新人王の記者投票はふたを開けてみれば、大谷の圧勝に終わった。

  ◇  ◇

 アンドゥハーは最終候補3人の中で唯一、規定打席に達し、新人2冠の27本塁打と92打点。チームの100勝に貢献し、出場試合数、打席数、打率でも大谷より上。にもかかわらず、記者30人のうち25人が大谷に1位票を投じた。

 圧倒的支持を得た理由の一つ。それは、パフォーマンスの「質」だ。長打率、出塁率、本塁打率、選手の総合評価指標として重視されるWARなどで相手を上回った。加えて、飛距離130メートル級の打球と球速160キロを超える剛球だ。非凡な才能をいかんなく発揮し、アンドゥハーの「量」を凌駕(りょうが)した。

 野球の神様、ベーブ・ルース以来、100年ぶりの本格的二刀流をメジャーの舞台で実現させた衝撃。日本からやってきた24歳が、本場の目の肥えた記者たちの心を動かした。(MLB担当・小林信行)

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