イチロー「言わなきゃいけないかな、僕が」フォーム修正で156キロ打ち返す
「オープン戦、マリナーズ7-3ブルワーズ」(1日、ピオリア)
マリナーズのイチロー外野手(45)が「7番・右翼」で出場し、3打数1安打1得点。二回の打席で156キロ速球を中前へはじき返し、4戦8打席(四球含む)ぶり、今オープン戦2本目の安打を記録した。この日は予定通り、六回の守備から交代した。
好球必打。2点をリードした二回、イチローは24歳右腕、バーンズが投じた初球、外寄り低めの156キロ速球を逃さなかった。快音とともにはじかれた打球は投手の股間を抜け、二遊間を真っ二つ。「振りにいかないと振れないから。知らないピッチャーだしね」。どの選手よりも大きな拍手と声援を送ったファンの期待にしっかり応えた。
4戦8打数1安打の成績で臨んだ試合。打撃フォームに試行錯誤の跡が見えた。今キャンプでは両膝を深く曲げて重心を下げ、タメを作ってからスイングする新しい打撃フォームが注目されたが、この日は膝の曲げ方を浅くするなど、フォームを修正。前日のフリー打撃でも試していた型で10打席目にして初めて投手強襲の打球を放ち、結果を出した。
しかし、2打席目以降は期待に応えられなかった。
三回の打席は150キロ速球を見逃しストライク、151キロを空振りして追い込まれると、外角低めの153キロにバットを伸ばしてスイングして投ゴロ。
五回の打席は空振り三振。きわどいコースのストライク判定でカウント1-2と追い込まれた際には納得いかない表情を見せ、カウント2-2から内角スライダーをファウルにする粘りを見せたが、6球目、内角高めに外れる151キロをとらえることはできなかった。
二回に出塁した際には盗塁を警戒され、3球連続けん制を受けた。いずれも手から帰塁し、相手バッテリーのリズムを崩すと、ベッカムの中前打で二進。9番ロバトンの右前打で生還した。守備では2月27日のインディアンス戦に続いて右翼に入り、4戦16イニング目にして初めて飛球を処理。実戦感覚を取り戻すプレーとなった。
オープン戦が始まって1週間あまり。ゲーム感覚について問われたイチローは「うーん、言わなきゃいけないかな、僕が」と多くを語らず。メジャー1年目の菊池が2度目の登板となるあす2日のロイヤルズ戦にはスタメン出場の予定。19日後に迫った日本での開幕戦に向け、今は実戦を重ねて行くだけだ。