イチロー、弓子夫人に感謝 握ったおにぎり2800個「頑張ってもらいました」
米大リーグ・マリナーズのイチロー外野手(45)=本名鈴木一朗=が21日、都内ホテルで引退会見を開いた。
この日、東京ドームで行われたアスレチックス戦には9番右翼で出場。試合後、球団を通じて引退を正式発表し、イチローは「私は日本とアメリカにおいて、野球の中で多くの夢をかなえてきました」「日本とアメリカのファン両方に、そして、私を支えてくれた全ての人に感謝します」などとコメントした。
笑顔の会見で、表情が変わったのは弓子夫人への感謝の思いを述べた時。「頑張ってくれましたね。一番がんばってくれたと思います」とし、現役生活のエピソードとして「僕がアメリカで3089本のヒットを打った訳ですが、ゲーム前にホームの時はおにぎりを食べている。妻が握ってくれたおにぎりを食べる。その数は2800。3000いきたかったみたい。そこは3000個握らせてあげたかった」と悔しそうな表情を浮かべた。続けて「とにかく頑張ってくれた。僕はゆっくりするつもりないが、妻にはゆっくりしてほしい」とうなずいた。
愛犬の一弓(いっきゅう)にも触れた。「今年で18歳の柴犬なんですが、さすがにおじいちゃんになってふらふらですが、懸命に生きている。その姿を見ていたら、それは頑張らないとと思った。ジョークではなく本当に思いました。まさか最後まで現役を終えるときまで一緒に過ごせると思ってなかった。これは大変感慨深い。妻と一休には感謝の思いしかない」と語った。
引退決断の経緯を問われ、「キャンプ終盤ですね。日本に戻ってくる何日前ですかね。何日前かお伝えできないが、終盤に入ったとき。もともと日本でプレーするところまでが契約上の予定ということもあったが、キャンプ終盤でも結果が出せず、それを覆すことができなかった」と語った。
後悔はないか問われ、「今日のあの球場での出来事、あんなもの見せられたら、後悔などあろうはずがありません。もっとできたことはあるが、結果を残すために、人よりがんばったとは言えないが、自分なりに頑張ったとは言える」とした。