イチロー「何が必要なのかわかった」20年前マリナーズのキャンプ参加で語った言葉

 マリナーズのイチロー外野手(45)が21日、現役引退を発表した。日米両球界で記録と記憶に残る活躍を演じた大選手のラストプレー。一つの歴史が終わった。デイリースポーツでオリックス時代のイチローを取材した担当記者が、当時のエピソードをつづった。

 ◇   ◇

 イチローはいつもクールで難しい顔をしている…オリックス担当になった当初からずっとそう思っていた。ところが20年前の1999年2月、特別にマリナーズのキャンプに参加した際は、それまでのイメージとは違うイチローがいた。

 マリナーズ側が用意した、この2年後には自分の背番号となる51のユニホームに袖を通すと、まるで野球少年のように目を輝かせた。部屋にポスターを貼るほど憧れていたケン・グリフィー・ジュニアとキャッチボールをしている姿は、見ているこちらにも楽しさが伝わった。

 「帰りたくなくなっているのは事実です」。普段は見せない笑顔を見せて、そうおどけた。もっとも楽しむだけではなくプレーでマリナーズ側にもきっちりアピールした。後にヤンキースに移籍したアレックス・ロドリゲスは「欠点がない。グリフィーみたいにポンポン打たないが才能を持っている」と、活躍を予感していた一人だ。

 この2週間のキャンプ体験で残念だったのは、体調不良で出場を予定していたオープン戦4試合のうち2試合を休んだことだ。乾燥した気候のせいで、腹痛、脱水症状に苦しみ、無念のドクターストップ。

 日本に帰国する前「水を持ち歩いた方がいいことがわかった」と苦笑いしたイチローだが、わかったことは水の重要さだけではない。メジャーで成功するために「何が必要なのかわかった。具体的には言えない」そう言ったときの表情はいつものクールで難しい顔に戻っていた。(1998、99年=オリックス担当・佐藤利幸)

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