菊池雄星「抑えれるんだという自信ついた」メジャー初勝利ならずも昨季王者相手に好投
「マリナーズ6ー7レッドソックス」(29日、シアトル)
マリナーズの菊池雄星投手(27)が昨季のワールドチャンピオン、レッドソックスとの試合に先発して6回4安打3失点(自責2)で勝敗はつかなかった。86球、無四球、5奪三振。最速は153キロだった。抑え投手が九回に逆転弾を浴びてメジャー初勝利はならなかったが、試合後は大きな収穫があったことを明かした。
本拠地での米国デビュー戦。21日の東京ドームでのアスレチックス戦でメジャー初登板を果たしている菊池は「プレッシャーは特になく、ほんとに楽しみにしていた試合でしたし、緊張よりも早く投げたいという思いで、日本から帰ってきてからずっと待ち遠しかった」と言った。
初回は先頭を140キロスライダーで空振り三振に仕留め、昨季MVP&首位打者のベッツ、同打点王マルティネスをいずれも151キロ速球で右飛に打ち取る。11球で3人を料理し、上々のスタートを切った。
二回以降はソロ2本と失策絡みの失点で3点を献上したが、いずれも連打を許さず、リードを保った。「マリナーズファンの声援もすごく大きく、自分を後押ししてくれた。あとは、特に長打を打たれてしまうと相手も活気づくというか、相手に流れを渡してしまうのが野球なので、そこは普段から長打を打たれた後はできる限り三振を取って流れを切らしたいなと思ってますので、結果的にそういう形が取れて今日はよかったかなと思います」と振り返った。
前回のメジャーデビュー戦は4回2/3、91球を投げた時点で降板した。「なかなかストライク先行の形を作れず、いっぱいいっぱいのピッチングになってしまった。そこを今回は修正したいなと思ってましたし、そういう意味では無四球でいけたというのは前回の反省を生かせたかなと思います」と菊池。自身の直球についても触れ、「アメリカに来てから、みんな左ピッチャーが僕より速かったりして、ストレートに対してもっともっと磨いていかないといけない、工夫しないといけないのかなというのが正直あったんですけど、差し込めるボールも出てきてるのでそこは次につながるというか、このボールでもしっかり指に掛かったボールがいけば、抑えれるんだという自信は今回すごくつきました」と、大きな収穫があったことを明かした。
試合は4-6の九回からマウンドに上がった抑えのストリックランドが3ランを被弾して逆転負け。降板後の心境を問われた菊池は「僕らは、日本の時もそうですけど、自分の役割をまっとうし、その後は(チームメートを)応援することしかできませんので、昔からそういう思いで応援しながらベンチで見てますし、今日も同じ思いで見てました」。次回登板は4月4日(日本時間4月5日)のホワイトソックス戦を予定している左腕は「レッドソックスを相手にどこまでピッチングができるのか。そういう中である程度、収穫も得られたということで次につながるのかなというのが大きいですね」と、充実感いっぱいの表情を見せた。