イチロー「人生の幕を下ろした時に頂けるよう励みます」国民栄誉賞3度目の辞退
3月21日に米大リーグを引退したイチロー元選手(45)=本名鈴木一朗=は、国民栄誉賞の受賞を辞退すると代理人を通じて日本政府に伝えた。菅義偉官房長官が5日の記者会見で明らかにした。政府の打診に対し「人生の幕を下ろした時に頂けるよう励みます」と返答があったと説明し、授与を見合わせると表明した。
1977年に創設された国民栄誉賞を受賞したプロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長は「現役を辞めたからと思って日本政府も打診したんだろうけど、彼なりの考えがあるんだろうから」と、辞退の決断を尊重した。
政府は日米で長年活躍した実績を「数多くの輝かしい記録を樹立した」(菅氏)と高く評価していた。菅氏は会見で「本人の気持ちを尊重し、今般の現役引退に伴う検討を見送ることにした」と述べた。
イチロー元選手は米大リーグで歴代23位の通算3089安打を放ち、プロ野球でも前人未到の7年連続首位打者に輝いた。メジャーデビューを果たして最終所属球団にもなったマリナーズが何らかの役職を用意する方針だが、具体的には決まっていない。
イチロー元選手は大リーグ1年目で首位打者などのタイトルを獲得した2001年と、シーズン最多安打の新記録を樹立した04年にも国民栄誉賞を打診されており、3度目の辞退となった。