マリナーズ・雄星 6度目の登板でメジャー初勝利!亡き父に捧げる1勝目
「エンゼルス5-6マリナーズ」(20日、アナハイム)
マリナーズの菊池雄星投手(27)が20日(日本時間21日)、エンゼルス戦に先発し、5回10安打4失点でメジャー初勝利を挙げた。今季6度目のマウンドは自己最多の97球の力投。3月末に他界した父・雄治さん(享年59)に捧げる1勝となった。
苦しみ抜いてつかんだ初星。3月21日の東京ドームでのデビュー戦から1カ月。先発陣で唯一未勝利だった菊池は「ほっとしているというところが一番ですね。苦しんだ分、喜びも大きい」と安どの表情を浮かべた。
味方打線が初回に2点を援護。試合を有利に進めるはずが、自己ワーストの10安打。我慢の投球を強いられた。
「初回からアウトを取るのが難しかった。行けるところまで行こうと気持ちを切り替え、粘り強く投げることに徹した」
直球主体の投球にシフト。四回2死一、二塁の場面はトラウトを152キロ直球で遊ゴロ。五回2死三塁の窮地も153キロ直球で切り抜け、グラブを叩いて感情を爆発させた。
闘病中だった父・雄治さんが3月30日に他界した。しかし、生前の父の願いを尊重し、葬儀で帰国しないことを決断。ウイニングボールを手にし「アメリカに来ることを一番喜んでくれた。最高の父親にいい報告ができる」としみじみ言った。
試合後は洗濯物用のカートに乗せられて風呂場へ直行。ビールシャワーで祝福され「もっともっと勝ってチームの力になりたいという思いでいっぱいです」と言った。メジャーを夢見たのは15歳の時。「こっちでプレーしたいと思ってから12年。ここからスタートという気持ちにもなる1勝です」。初心を胸に、菊池が世界最高峰の舞台で投げ続ける。