大谷の高い理想「角度がつけばもっとよかった」復帰後初安打を喜ぶも満足せず

タイガース戦の1回、右前に復帰後初安打となる適時打を放つエンゼルス・大谷=デトロイト(共同)
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 「タイガース0-13エンゼルス」(9日、デトロイト)

 エンゼルスの大谷翔平投手(24)は「3番・指名打者」で出場し、初回に復帰3戦目で初安打となる先制適時打を放つなど、4打数2安打1打点、1四球だった。チームは大勝した。

 チームに流れを呼び込んだ。初回無死一、二塁の好機。大谷は左腕カーペンターが投じた初球、内角ストライクのスライダーを見送った後、続けて内寄りに来たスライダーを腕を折りたたむようにしてとらえた。快音とともにはじかれたライナー性の打球は右前に達し、二塁走者をホームへ迎え入れた。

 他の打者がそうであるようにシーズン初安打が出るまでは「不安ですね」と大谷。「どういう感じで打ててるのかっていうのもやっぱり最初の数打席はけっこう大事かなと思うので、きょう出てくれてまずよかったかなと思います」。昨日までの2試合の打席は球団から送られてくる映像でチェックしたという。前日の試合前には打撃練習の様子をスマホで撮影する場面もあった。日々の積み重ねを結果につなげ、「1本(目)は大事なのでよかったかなと思います」と素直に喜んだ。

 MLBのデータ解析システム、スタットキャストによると、復帰後初安打の打球の初速は111マイル(約179キロ)。昨季打った93安打のうち初速が112マイル(約180キロ)を超えたのは6本だったことを考えると、この日の1本は本来の状態を取り戻したとも言える。

 しかし、試合後の大谷は「(感触は)よかったです。見え方もよかった」と話す一方で「とらえ方はいまひとつの部分はありました」と明かす。「とりあえず、外野まで(飛ばすことを意識している)ということなので、ま、悪くはないですけど、もうちょっと角度がつけばもっとよかったかなという感じと思います」と、打球に角度がつかず、長打にできなかった点を“反省”した。

 とはいえ、シーズン初安打が出たことで「若干楽にはなりました」と精神面でプラスになったことは間違いない。続く三回の打席は、敵軍内野陣が右へ寄る“大谷シフト”を敷く中、二塁ベースの左側に入った三塁手のグラブをはじく鋭い打球でマルチ安打も記録した。1試合2安打は昨年9月28日のアスレチックス戦以来、223日ぶりだ。

 10日からは戦いの場を移し、オリオールズと3試合を戦う。「(四球で出塁した)最後の打席も感じもよかったですし、(打席で)立ってる感じもすごいよかった。それを明日継続してよりよくしていければ、もっともっと安打もホームランも出てくれるんじゃないかなと思います」。敵地ボルティモアはレッドソックス時代に二刀流としても名を馳せたベーブ・ルースの故郷でもある。野球の神様が生まれ育った場所で大谷の復帰後初本塁打に期待がかかる。

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