大谷「厳密に言えばボール。しょうがない」鮮やか悪球打ちで決勝点演出
「エンゼルス5-1レッズ」(26日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(24)は「3番・指名打者」で出場し、3打数3安打1四球、1得点、1盗塁。今季4度目の1試合3安打の固め打ちで打率を・291とした。チームは3連勝で貯金1。
決勝点を演出した。1-1の八回無死二塁。守護神イグレシアスがカウント1-2から投じた内角低め、ひざ元の151キロ直球を捉えた。「内は厳しめに来てましたし、厳密に言えばボールでしたけど、追い込まれてましたし、しょうがないのかなと思います」。試合後の大谷が『ボール』だと認めた悪球。後ろ足(左足)を引きながらスペースをつくってボールを捉える“曲打ち”。バランスを崩してヘルメットが吹っ飛んだ一振りの心理を「(走者が)セカンドにいたので、なんとか当てて、最悪でも進塁させればいいなと思ってました」と説明した。
パワーだけでなく、技術の高さを証明する一打で好機を拡大。チームは2死二、三塁からフレッチャーの内野安打で勝ち越しに成功すると、続くボアのこの日2本塁打目となる8号3ランで大谷も生還した。一挙4点を奪って試合を決めた。
自己最速打球をマークしたのは四回だ。メジャー通算69勝右腕、ロアークがカウント1-1から投じたほぼ真ん中の138キロスライダーを鋭く振り抜き、右中間二塁打。外野を真っ二つに割った打球の速度は115マイル(約185キロ)。昨年9月13日のマリナーズ戦で二塁打を放った際に記録した113・9マイル(約183キロ)を上回った。
データ解析システム「スタットキャスト」により公表されている打球速度。大谷は「それがすべてではないですけど、速ければ抜ける確率も高いですし、もちろんヒットになる確率も高い。自分がいいタイミングで(ボールを)捉えてないと、そういう速度も出ないので、アウトになったとしても割り切れる材料にもなるのかなと思います」と話す。
初回の左前打と合わせ、今季4度目の3安打固め打ち。六回に四球で出塁した際には次打者の初球で果敢にスタートを切って今季4盗塁目となる二盗にも成功した。「内容も結果も勝ったのでよかったかなと思います」。チームは3連勝で6試合ぶり、今季最多の貯金1とした。