大谷、もがき苦しんだ2年目「今までの中で一番悔しいシーズン」

 13日(日本時間14日)に左膝の二分膝蓋骨の手術を受けたエンゼルスの大谷翔平投手(25)が24日(同25日)、アスレチックス戦前に本拠地エンゼルスタジアムで会見し、昨年10月に受けた右肘手術のリハビリのため打者の“一刀流”で臨んだメジャー2年目を振り返った。

 「悔しい」という言葉を8回も口にした。

 今季は日米7年のプロ生活で最も多い425打席に立ち、キャリアハイの110安打をマーク。打率・286、62打点、12盗塁は昨季の数字(打率・285、61打点、10盗塁)を上回る一方で、本塁打数18、出塁率・343、長打率・505はいずれもダウン(昨季は22本塁打、同・361、同・564)。好不調の波が大きく、魅力の一つでもある長打が減少した2年目を「全体を通してなかなか思い通りにいかない試合が多かったので、今までのシーズンの中では一番悔しいシーズンだったかなと思います」と表現した。

 大谷のメジャー2年目はリハビリから始まった。

 昨年10月1日に右肘手術を受けたため、素振りを始めたのは術後4カ月が経過した2月8日だった。3月からは投球プログラムと並行しながら打撃練習を継続し、開幕直前の3月27日にフリー打撃開始。1カ月後の4月24日にマイナー投手を相手に術後初となる実戦形式の打撃を行った。マイナーで試合に出場することなく、2週間後の5月7日のタイガース戦で戦列復帰した。

 復帰当初から左膝に違和感、痛みを感じながらのプレーを強いられ、「(左脚への)加重のしにくさであったりとか、(左脚の)蹴りのしにくさだったりとかある」と、走塁だけでなく、打撃への影響もあったことを否定せず。それでも大谷は「誰しも痛みを抱えてやってると思うので、そこは特に何も言い訳にはならない」と言い切った。

 チームとともにもがき苦しんだシーズンだった。チームは球宴前後に勝ち星を重ね、一時は貯金5とし、ワイルドカード争いに加わっていたが、7月下旬から8月上旬にかけて急降下。時を同じくして不振に陥った大谷は「7月中盤から後半にかけてチームにとって大事な時期だった。そこ次第でポストシーズンを戦えるか、戦えないかが決まるんじゃないかなと思ってたので、ちょうどそこの期間に打てなかったというか、打てないことに対して悔しいなというのは大きかったかなと思います」と当時の心境を明かす。

 球団の方針に従い、プレーオフ進出の道が閉ざされた直後の13日にシーズン15試合を残して左膝の手術を受けた。今季最後の試合となった11日のインディアンス戦では五回に18号ソロを放っているが、「最後までいろいろ試しながらやってましたね。(ベンチ)裏の(打撃)ケージでも次の打席はこうやっていこうかなとか。最後の最後までそういうふうにやってました。何かいいもの見つけて来シーズンに入りたいなという思いはあった」。それらの言葉が今季の苦しみの大きさを表している。

 今季自身が残した成績について「その数字に対して満足感が少ないっていうのは一ついいことじゃないかなとは思います。数年前だったら(今季の成績に)もしかしてたら満足することがあるかもしれなかったので、そこが唯一いいことじゃないかなとは思うので、その気持ちがあれば、まだまだうまくなれる可能性があるんじゃないかなとは思います」と大谷。さらに「悔しい気持ちがあるのはこっち(メジャー)に来てこういう高い壁にぶつかったからっていうのもありますし、(日本ハムに)残ってては得られなかったものもあると思いますね。残ってたから得られたものも、もしかしたらあるか分からないですけど、現時点ではいっぱい学ばせてもらってると思います」とも話す。

 この日は、左膝をギプスで固定した状態で立ったまま、日米メディアの取材に応じた。近日中に軽めのキャッチボールを始めるという。エプラーGMは大谷の来季の起用法について「週1試合の先発投手、同4試合の指名打者」という構想を公にしている。

 「僕自身は出られると思ってますし、そういうふうに進んでいくために頑張りたいなと思っているので。ポジションが確約されているわけではないですし、毎年毎年勝負だなと思っているので、もう1回そこを勝ち取りにいきたいなと思っています」

 打って、投げて、走る。二刀流の復活を誰よりも楽しみにしているのは大谷本人であることは間違いない。

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