大谷所属のエンゼルス新監督就任のマドン氏「この上ない喜び」 最優秀監督3回の名将
大谷翔平投手(25)が所属するエンゼルスは16日、ブラッド・オースマス監督(50)に代わる新監督としてジョー・マドン氏(65)と3年契約で合意した発表した。最優秀監督賞3回、16年にカブスを108年ぶりワールドチャンピオンに導いている同監督は選手、コーチとして30年間在籍した古巣に15年ぶりに復帰し、「これ以上の喜びはない」、「エンゼルスのファンに(02年に続く)2度目の優勝を見せる機会が待ち遠しい」とコメントした。
米スポーツ専門局、ESPN(電子版)によると、3年契約の総額は1200万から1500万ドル(約13億~16億3000万円)だという。
マドン氏は75年にドラフト外でエンゼルスと契約し、1A止まりでメジャー経験は一度もないまま引退。31歳の若さで指導者の道へ進んだ苦労人だ。引退後もエンゼルスに在籍し、02年にはソーシア監督の参謀役、ベンチコーチとして球団初のワールドチャンピオンに貢献した。
06年に弱小球団のデビルレイズ(現レイズ)の監督に就任し、3年目の08年に球団史上初の地区優勝、さらにはワールドシリーズに導き、最優秀監督賞を受賞。14年までに計4度のプレーオフ出場を果たし、一躍、強豪チームに変身させた。
15年にカブスと5年2500万ドル(26億7000万円)の大型契約で合意。就任2年目の16年には球団108年ぶりのチャンピオントロフィーをもたらし、自身3度目の最優秀監督に選出された。今季で5年契約を満了し、退任が発表された。
メジャー監督16年の通算成績は1252勝1068敗1分け。
マドン新監督は球団を通じて「ホームに戻って、この素晴らしい組織の監督を務めることにこの上ない喜びを感じています」と心躍らせた。また、野球人として初めて経験した02年のワールドチャンピオンを振り返り、「球団初のリーグ制覇の一員になれたことは幸運であり、エンゼルスのファンの皆様に2度のチャンピオンをもたらす機会を楽しみにしています」と期待の大きさをつづった。
エプラー・ゼネラルマネジャー(GM)はこの日発表された球団のリリースで「ジョーがホームに戻ってくることに興奮している」、「ジョーが我々の球団にとって大きな力となることを信じ、そして、再びワールドチャンピオンに導いてくれることを期待しています」とコメントした。
今季のエンゼルスは72勝90敗で4年連続負け越し、ア・リーグ西地区4位に低迷。初めてワールドチャンピオンになった02年以降、ワールドシリーズに進出しておらず、5年連続でポストシーズンを逃している。
昨年10月に右肘手術を受け、今季は打者に専念した大谷は9月13日に左膝の手術を受けたが、来季は二刀流として復帰することが決まっている。すでにエプラーGMが週1回のペースで先発し、同4試合に指名打者で出場させる構想を明かしており、マドン監督の就任によって来季の起用法に影響はないと見られている。