ヤンキース、戦力外エルズベリーへの28億円支払い拒否へ 米報道
米大リーグ、ヤンキースは7年契約の1年を残して戦力外にしたジャコビー・エルズベリー外野手(36)への保証額2610万ドル(約28億3000万円)の支払いを拒否する意向を示していると22日(日本時間23日)、地元紙のニューヨーク・ポスト(電子版)が伝えた。
エルズベリーはレッドソックス時代の11年に打率・321、32本塁打、105打点をマークしたほか、盗塁王を3回(08、09、13年)獲得するなど、メジャー屈指の外野手として13年オフにヤンキースと7年1億5300万ドル(約166億円)の超大型契約を結んだ。しかし、移籍1年目の14年に149試合、打率・271、16本塁打、70打点、39盗塁を残した後は成績が右肩下がり。さらにわき腹や腰など、相次ぐけがで過去2シーズンは1試合も出場することなく、毎年23億円近くの年俸を受け取っていた。
チームは来季の構想から外れるとして、2日前に同外野手のリリースを発表。来季の年俸2110万ドルと、球団が選択権をもつ21年の契約のバイアウト500万ドル、合わせて2610万ドルが選手に保証されているとあって大きな話題となった。
ニューヨーク・ポストによると、ヤンキースは大リーグ選手会に宛てた手紙の中でエルズベリーに支払い義務のある残りの金額を「無保証」にしたい意向を示したという。理由は同外野手がリハビリ期間中に球団の許可なしにアトランタにあるプログレッシブ・メディカル・センターで治療を受けたためと説明。チームは選手の故障に対して保険を掛けていたため、過去2年の給料4220万ドル(約45億8000万円)のうち75%を保険がカバーしたが、来季の年俸には保険を掛けていないという。
また、大リーグ選手会が「選手会はジャコビーや彼の契約に対する措置に対して積極的に擁護し、雇用主による契約違反の可能性を調査していく」との声明を出したと伝えるとともに、労使協定の基本合意規則に選手は球団の許可なしに球団傘下以外の医療機関で治療を受けることはできないとあることも紹介した。
エルズベリーの代理人を務めるのは敏腕のスコット・ボラス氏。来季も現役続行の意思を示しているベテラン外野手を巡る問題は泥沼化する可能性が出てきた。