大谷 1死も奪えず5失点 二刀流復帰戦は17分で降板
「アスレチックス6-4エンゼルス」(26日、オークランド)
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(26)は26日(日本時間27日)、敵地オークランドで行われたアスレチックス戦に先発し、一昨年10月の右肘靭帯再建手術を乗り越えて投手復帰した。693日ぶりのマウンドは3安打、3四球でメジャー自己最悪の5失点。球威、キレ、制球力ともになく、1死も取れずに負け投手になった。
信じられない光景だった。二刀流復活の「ショウ・タイム」はわずか17分で終演した。大谷が1死も奪えずに降板したのは日米通じて初の屈辱。「腕がイマイチ、振り切れてなかった」。不完全燃焼の30球を淡々と振り返った。
前日の会見でポイントに挙げた初回。「緊張はありましたし、フワフワした感じはあった」。先頭セミエンへ初球150キロ直球でストライク。しかし直後、甘く入った150キロを中前へ運ばれた。そこからの3連続四球。自滅で先制点を許し、2者連続適時打を浴びた。すかさずマドン監督がベンチから飛び出した。
「バッターを抑えに行くという気持ちより、球を投げることに集中していた感じだった」
肘への負担を軽減するためにコンパクトな投球フォームに取り組んでいる。公式戦のマウンドに立っても『戦闘モード』に入れなかった。「1個アウトを取って落ち着きたい気持ちが、うまくいかないところだった」。焦りが負の連鎖を生んだ。
この日の最速はメジャー自己記録より10キロも遅い152キロ。球威なし、キレなし、制球力なし。まるで別人のような投球を指揮官は「全くいいボールを投げていなかった」と評したが、「彼は大丈夫。何も悪いところはない」と予定通り、1週間後の登板を示唆した。
6日間の調整期間。「明日以降も試合があるのでまずは切り替えて打席に集中したい」。二刀流の新章はまだ始まったばかりだ。