ダルビッシュ「悔しい」7回途中2失点で敗戦投手 この日唯一の“目標”達成できず

 「ワイルドカードシリーズ・第2戦、カブス0-2マーリンズ」(2日、シカゴ)

 カブスのダルビッシュ有投手(34)は7回途中5安打2失点と好投したが、打線の援護に恵まれず、敗戦投手となった。有利が予想されたチームはまさかの2連敗でポストシーズン敗退が決まった。

 三回を終えて無安打1四球。要した球数はわずか37。「きょうはそんなに(球が)力強かったわけではなかったので、すごく慎重に投げました」。背水の陣で臨んだ試合の立ち上がり。ダルビッシュはリーグ最多の8勝、同2位の防御率2・01をマークしたレギュラーシーズンで見せた力を存分に発揮した。

 四回は中前打と死球で無死一、二塁のピンチ。しかし、4番アンダーソンをカットボールで遊ゴロ併殺打に斬り、なおも2死三塁の場面では5番クーパーをスライダーで空振り三振。マウンド上でガッツポーズを繰り出した。

 五回は長打の当たりを左翼手シュワバーの好返球に助けられて無失点。両軍無得点の六回も三人で片付け、味方の援護を待った。

 試合後のオンライン会見でダルビッシュが明かす。「今日は僕としては(今季でカブスとの6年契約が満了する)レスターに最低でももう1試合リグリー(本拠地リグリーフィールド)で投げてもらいたいっていうのが僕の今日の一番で唯一のモチベーションだった」。勝てばあす3日の第3戦にレスターが先発する。「僕ら投手陣にとってはすごく本当に大きな存在」というベテラン左腕に投げるチャンスを作りたい一心で右腕を振り続けた。

 しかし、七回2死。マウンド上のダルビッシュがシカゴの空を見上げる。カウント2-2と追い込んだクーパーに低めのスライダーを左翼席へ運ばれる。捕手の構えは外角低めだったが、球の軌道は真ん中低め。さらに二塁打と敬遠四球で一、二塁となった後に適時打を許して2点目を失った。

 「自分でやれることはやったし、ゴロを打たしてたるし、別に特別悪いことがあそこで起きてたわけではない。何か大きなミスがあったかと言ったら何もなかったし、仕方ないです」

 94球の力投を淡々と振り返ったダルビッシュ。大きな心残りはレスターにつなげなかったことだ。「それが達成できなかったのは僕の中でも悔しい」と言った。

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