「ワイルドカードシリーズ・第２戦、カブス０－２マーリンズ」（２日、シカゴ）

　カブスのダルビッシュ有投手（３４）はマーリンズとのワイルドカードシリーズ第２戦に先発し、６回２／３を５安打２失点と好投したが、打線の援護に恵まれず敗戦投手となった。公式戦ではリーグ最多の８勝、同２位の防御率２・０１をマーク。先発陣の柱として３年ぶりの地区優勝に貢献し、４年ぶりの覇権奪回を目指したが、シリーズ２連敗でプレーオフ敗退が決まった。

　味方の援護を信じて腕を振った。３年ぶりに立ったプレーオフの舞台でダルビッシュがリーグ最多勝の力を存分に発揮した。０－０の四回無死一、二塁の窮地では遊ゴロ併殺打、空振り三振の粘投。無失点で切り抜け、右こぶしを握った。

　「球が力強くなくてもパニックにならず、冷静になれた。今年はメンタル的に今までと違うレベルにいけた」

　痛恨の１球は０－０の七回２死だ。捕手が外角低めに要求したスライダーが真ん中低めに入って被弾。さらに適時打で２点目を失った。

　まさかの連敗でプレーオフ敗退。第３戦では今季で長期契約が満了するベテラン左腕が先発を予定していた。「レスターにもう１試合投げてもらう。僕の今日の唯一のモチベーションだった。悔しい」と肩を落とした。

　新型コロナウイルス感染が懸念されたシーズンで飛躍した。「得たものは、自分に足りない部分がすごく見えたこと」とダルビッシュ。試合後のオンライン会見ではファンの応援や家族のサポートに「感謝しかない」と言った。