マー君 終戦「悔いない選択を」延長オファーなければ自身初のFAへ
「ア・リーグ地区シリーズ・第5戦、レイズ2-1ヤンキース」(9日、サンディエゴ)
田中将大投手(31)が所属するヤンキースはレイズとのア・リーグ地区シリーズ第5戦に敗れて2勝3敗となり、プレーオフ敗退が決まった。今季で7年契約が満了する同投手は試合後のオンライン会見で日米通じて自身初のフリーエージェント(FA)を見据え、「悔いのない選択をしていければ」と話した。レイズの筒香嘉智内野手(28)は出番がなかったが、チームは12年ぶりにリーグ優勝決定シリーズに進出し、11日からアストロズと激突する。
落胆の色を浮かべた田中が力なく言った。「正直、シーズンが終わってしまったことを受け入れられていないというか、そういった気持ちが一番ですね」。11年連続V逸。自身は先発した2試合で大量失点し、防御率12・38。強いはずの大舞台でチームを勝利に導けず、「非常に、なかなか消化しがたいものだった」と悔しがった。
新型コロナウイルスの感染拡大により開幕が4カ月延期。家族の安全を優先して一時帰国を決断し、日本で調整を続けた。7月上旬の夏季キャンプでは頭部に打球を受けて開幕に出遅れた。不本意なシーズンとなったが「今後の野球人生において、すごく大きな1年だった」と前向きに捉えた。
7年総額1億5500万ドル(約164億3000万円)の契約最終年。球団から延長オファーがなければ、日米通じて初めてFAになる。「自分が過ごしてきたチームなので愛着がないわけがない」と残留への希望をのぞかせながら「初めてのことなので予想はつかない。しっかり考えて悔いのない選択をしていければ」と言った。
移籍1年目から6年連続で2桁勝利を挙げ、通算78勝48敗、防御率3・74の好成績を残した。「一選手として、一人間として言い表せないぐらいたくさんのものを学ばせてもらった」。ヤンキースでの7年の歳月を思い返し、田中が感慨に浸った。