ダルビッシュを外したわけ 一人だけ票を入れず、SNSで叩かれた米紙記者が釈明

 米大リーグの年間最優秀投手を記者投票で選出する「サイ・ヤング賞」の発表から一夜明けた12日(日本時間13日)、投票権をもつ30人の記者の中でただ一人、次点だったカブスのダルビッシュ有投手(34)に1~5位の票を入れなかったロサンゼルス・デイリーニューズ紙のJP・ホーンストラ記者が同紙電子版で長文記事を投稿し、ダルビッシュ除外の理由を説明した。

 同賞は全米野球記者協会(BBWAA)の会員の中から選ばれた30人が5名連記で投票。1位7点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点とし、その合計点で決定する。13年以来、7年ぶりに最終候補3人に入ったダルビッシュは歴代日本投手最多の123点を獲得したが、27人から1位票を集めるなどして計201点を得たレッズのバウアーに及ばず、2位となった。

 ダルビッシュが獲得したポイントの内訳は1位票3、2位票24、3位票2で29人の記者から高い評価を受けた。しかし、BBWAAが公開している投票結果でただ一人、同投手に票を入れなかったのがホーンストラ記者だったことが判明。SNS上では「ダルビッシュをトップ5に入れなかったホーンストラのカードを無効にすべきだ」、「彼は2020年のダルビッシュのピッチングを見てないの?」など、辛らつな意見が飛び交った。

 それら疑問や不満の声に対し、同記者は発表当日の11日に自身のツイッターを更新。ダルビッシュを6位に入れていたことを明かし、詳細は近日中に説明するとした。

 同記者は12日、「サイ・ヤング賞投票からユウ・ダルビッシュを除外したことへの弁明」との見出しで選考の経緯を説明。データ分析サイト、ベースボール・プロスペクタスの指標「Deserved Runs Average(DRA=守備や球場、対戦打者の質などの要素を取り除いた投手のパフォーマンスに限定した場合の平均失点。数値が低いほど良い)」を最も重視したことを明かし、DRAでは6位ながら防御率でも他の投手を圧倒的したバウアーを1位に、18、19年受賞者でDRA3位、防御率4位、三振数1位など、各カテゴリーで上位の数字を残したデグロム(メッツ)を2位に置いた。

 同記者はダルビッシュの防御率(リーグ2位の2・01)とDRA(同11位の3・26)に大きな開きがあることを強調しながら、ラメット(パドレス)のDRA2・89がバウアーと、防御率2・09がダルビッシュと差がないことから3位票を入れたとした。

 4位に置いたノラ(フィリーズ)はリーグ12位の防御率3・28だったが、DRAでリーグ1位の2・58だったため、あらためてDRAを重視したことを説明。5位のウィリアムズ(ブルワーズ)については救援投手として27イニング連続無安打を記録するなど圧倒的なピッチングで防御率0・33、「投球回10イニング以上」を条件にしたDRAがリーグ1位の2・19だったことを挙げた。

 記事中では「個人的にダルビッシュに対して悪い感情はない。本当に」と公平に選考したことを強調。「結局、彼はミニシーズンの犠牲者だった」と、新型コロナウイルスの影響で通常の162試合から60試合に短縮された異例の事態がダルビッシュの評価に悪影響を及ぼしたとした。

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