イチロー氏が紅白戦に出場 コロナ禍人数制限で代役 左飛に悔しさ全開
米大リーグ、マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチローさん(47)が7日(日本時間8日)、アリゾナ州ピオリアで行われているキャンプで紅白戦に出場した。コロナ禍で練習参加人数が制限されているための代役ながら、背番号51のユニホームを身にまとい、“現役復帰”でチームを盛り上げた。
深く屈伸してから打席に入り、投手に向かって漆黒のバットを立てた。背番号51がおなじみのルーティンで集中力を高めると、フィールドの空気が引き締まった。
今季の開幕投手の左腕ゴンザレスが調整登板した紅白戦。コロナ禍で練習参加人数が制限されているため、イチローさんが選手の代役として出場。思わぬ形で“現役復帰”が実現した。
初球、高めのボールを見送った後、2球目を打ち損じてファウル。すかさずバットで捉えたポイントを確認する作業は現役時代と同じだ。
3球目。内角高めの際どいコースにバットを止めると「グッド・アイ!(いい選球眼!)」と自賛し、周囲の笑いを誘った。4球目を打って左飛に倒れると、顔をしかめて悔しがった。
「(打席に立てば)そりゃ負けたくない気持ちになるでしょ。本能ですから」
19年3月に東京ドームで行われた開幕2戦目を最後に現役引退。2年が過ぎた今でも全体練習前にケージ内でティー打撃を継続しており、「このためにやっているわけではないのですが、やっていればこういうときにも対応できる」と話す。
守備では「エリア51」と呼ばれた右翼に入った。中堅を同じマ軍インストラクター・キャメロンさんが守り、18年ぶりにゴールドグラブ賞右中間コンビが復活。チームの雰囲気を大いに盛り上げていた。