ダルビッシュ、大乱調3回4失点 OP戦最終登板「悪いのを全部出したのは良かった」
「オープン戦、パドレス-レンジャーズ」(25日、ピオリア)
パドレスのダルビッシュ有投手(34)がオープン戦最終登板で3回3安打4失点、4四球4三振。二回以降は制球に苦しみ、76球のうちストライク36球、ボール40球。試合前にはディングラー監督から開幕投手に指名された。
20日の自軍打者相手の実戦形式の練習で62球を投げたダルビッシュが14日以来、11日ぶりにオープン戦のマウンドに立った。試合前に開幕投手に指名された右腕は初回こそ1死三塁のピンチを連続三振で切り抜けたが、二回に落とし穴が待っていた。
「1イニング目はすごくきれいなマウンドで投げやすかったんですけど、1イニング目を終わった後に自分のかかとの部分にすごく大きい穴があった。それが合わなくてバランスが崩れてしまったというのはあります」
先頭を左前打で出すと、1死から重盗と連続四球で満塁のピンチを背負う。9番マーティンにはカウント1-1から甘く入った137キロ変化球をとらえられ、右翼線を破る2点適時二塁打。さらに三振に仕留めた変化球が暴投になり、三塁走者が生還するなど、計4点を失った。
三回の投球前にはマウンドの土を固め直して足場を安定させたが、一度狂いが生じたメカニックはすぐには修正できなかった。1死から四球を出し、2死からは二盗、と三盗。この日4つ目の四球と二盗で2死二、三塁とされたが、7番トリビノをフルカウントから135キロ変化球で見逃し三振に斬って追加点を許さなかった。この日は5イニングをイメージしていたというダルビッシュはベンチに戻った後、首脳陣から交代を告げられ、悔しそうな表情を見せた。
降板後の会見では「カッターとスライダー以外は投げれる状態ではなかった」とダルビッシュ。重盗を含め7盗塁を許したことには「本気のけん制をしなかったので、あれだけ走られても仕方ないかな、と。ちゃんとしたけん制はあるんですけど今日はそれどころじゃなかった。自分のメカニックをなんとかすることに集中した」と振り返った。
オープン戦最終登板。開幕に向けての心境を問われると「前回の登板の後だったら自信をもっていくと言ってたと思うけど、今日はあの試合の後なので、もちろん、いい気分はしないです」と悔しさをにじませがらも「だけど、完璧にシーズンを迎えるというのも気持ち悪いと選手はみんな思うからそういう意味では悪いのを全部出したという意味では良かったのかなと」と前を向いた。