大谷、惜しい45号 推定136メートル大ファウル 中継局実況は絶叫「そのまま!」
「ホワイトソックス3-9エンゼルス」(16日、シカゴ)
エンゼルスの大谷翔平投手(27)が「3番・指名打者」で出場し、4打数2安打1死球。9戦ぶり、今季35度目のマルチ安打で打率を・256とした。注目の本塁打王争いは5戦連続不発で、3戦連発45号でトップのゲレロ(ブルージェイズ)に並んだペレス(ロイヤルズ)と1本差のまま。チームは2連勝。
打順組み換えで5月16日のレッドソックス戦以来、4カ月ぶりに3番で起用された大谷。初回の打席は右腕ロペスから一塁線へのゴロ打球が一塁ベースに当たる幸運な内野安打を放って3戦ぶりに「H」を記録した。
2点リードの三回2死の場面は空振り三振。ツーボールから156キロ速球を空振りし、ボール一つを挟んで内寄り156キロをファウル。最後はフルカウントから真ん中156キロにバットは空を切った。
五回は先頭で2番手左腕フライから二塁内野安打。カウント1-1から外角カットボールをバットの先で捉え、一、二塁間深くに飛んだ打球で一塁を駆け抜けた。
その打席では惜しい打球もあった。初球、内角高めの直球を振り抜き、右翼ポール際へ大ファウルを放った。ここまで4戦不発でトップのゲレロとペレスを1本差で追っている。大きな放物線を描いた打球にエンゼルスの中継局実況は「そのまま、そのまま、フェアゾーンで45号だ。きわどいファウルボールでした」と祈るように絶叫。推定飛距離を445フィート(約136メートル)とし、大谷の打球を手にした観客の映像を見ながら「あの観客はお土産のファウルボールが飛んでくるなんて考えもしなかったのではないでしょうか」と言って、解説者を笑わせていた。
七回の打席は4番手右腕ルイーズに空振り三振。カウント1-2から外角のボール球になる138キロカーブを捉えることはできなかった。
6点リードの九回2死の打席は6番手右腕ライトから死球を受けた。初球をファウルにした後、2球連続で体に近いボール。4球目の145キロ直球が右ふくらはぎ付近を直撃した。2日前の同カードではホワイトソックス6点リードの九回にホワイトソックスの主砲アブレイユがエンゼルス投手から左腕に死球を受けた“伏線”があったことから、審判団は危険球と見なし、同投手を警告なしの一発退場。抗議に出たラルーサ監督も暴言で退場処分となった。
大谷はうつむいて痛みに耐える仕草を見せたが、一塁へ歩き、プレーを継続。塁上では敵軍一塁手と談笑する場面もあった。