大谷出塁のたびに満面の笑みの一塁手 元大洋で活躍シーツの息子

 「ホワイトソックス3-9エンゼルス」(16日、シカゴ)

 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が「3番・指名打者」で出場し、4打数2安打1死球。9戦ぶり、今季35度目のマルチ安打で打率を・256とした。注目の本塁打王争いは5戦連続不発で、3戦連発45号でトップのゲレロ(ブルージェイズ)に並んだペレス(ロイヤルズ)と1本差のまま。チームは2連勝。

 この日の大谷は本塁打こそなかったが、2つの内野安打と死球で3度出塁。五回の攻撃では後続の適時打で生還し、チームの勝利に貢献した。

 九回の打席で右ふくらはぎに受けた死球では敵軍投手が危険球で、監督が暴言で退場処分に。敵地フィールドに不穏な空気が漂う中、一塁上の大谷は全く気にする様子もなく、敵軍一塁手のギャビン・シーツの肩に手を置きながら満面笑みで会話。2つの安打で出塁した際にも笑顔で言葉を交わした。

 実はシーツの父は元大リーガーで92年に大洋(現DeNA)でプレーしたラリー・シーツ。日本では1シーズンだけしかプレーしていないが、打率・308、26本塁打をマークし、100打点でタイトルを獲得。球宴、ベストナインにも選出された超優良助っ人だった。大洋退団翌年の93年にマリナーズでメジャー復帰した後、現役を退いている。

 父の引退から3年後の96年に生まれたシーツは17年ドラフト2巡目でホワイトソックス入りし、6月29日にメジャーデビュー。今季はここまで40試合に出場し、打率・238、9本塁打、26打点をマークしている。14日の試合では3ランを放つなど、メジャー自己初の3安打、同最多タイの4打点で存在感を示した。

 大谷がシーツと対面するのは今回が初。この日の3連戦最終戦で初めて一塁に入ったシーツとは初回の出塁時から初対面とは思えないほど、打ち解けた雰囲気だった。日本に縁のある2人の交流は来季以降も続きそうだ。

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