大谷翔平がMLBの顔に 仮想通貨取引所グローバル・アンバサダー就任
エンゼルスの大谷翔平投手(27)が暗号資産(仮想通貨)の取引所FTXと長期契約を結び、「グローバル・アンバサダー」に就任すると16日(日本時間17日)、同社が発表した。大谷への報酬の全ては仮想通貨や株式で支払われるという。
今季の投打にわたる歴史的な活躍により、二刀流選手として世界にその名を知らしめた大谷。同社と契約しているアスリートには、NFL屈指のQBブレイディ(バッカニアーズ)や、NBAのカリー(ウォリアーズ)がおり、MLBの顔として他競技のスーパースターと肩を並べることになった。
同社は大谷のアンバサダー起用で、ブランド向上や仮想通貨の認知度アップを目指す。創設者でCEOのサム・バンクマン・フリード氏(29)は声明の中で「デジタル資産の支援を考えた時、野球界において短期間で飛び抜けた存在となったショウヘイと協力関係を結ぶことは簡単な選択だった」と説明した。
MLBとMLB選手会のオフィシャルパートナーでもある同社は、今季プレーオフで飛距離130メートル以上の本塁打1本ごとに寄付を行い、計55万ドル(約6300万円)を拠出。今後は大谷と協力して動物救済など、多岐にわたる慈善活動を行っていく考えを明かした。
◆FTX 19年5月に創設された暗号資産(仮想通貨)の取引所。本社はバハマ・ナッソー。1日平均取引額は100億ドル(約1兆1400億円)で利用者は100万人を超える。2年余りで企業評価額は250億ドル(約2兆8000億円)に達した。今年に入ってMLBとパートナーシップを結び、NBAマイアミ・ヒートのアリーナ命名権を1億3500万ドル(約154億円)で買い取るなど、宣伝広告に力を入れる。6月にブレイディ、9月にカリーと契約。積極的に慈善活動を行い、ここまで1000万ドル(約11億4000万円)以上を寄付。
◆暗号資産(仮想通貨) インターネット上で通貨のようにやりとりできる機能を持つ電子データ。法定通貨ではないが、代金の支払いなどに使用でき、日本円など法定通貨と相互に交換もできる。代表的な暗号資産には、ビットコインやイーサリアムなどがある。今年11月にはニューヨーク市の次期市長に当選したエリック・アダムス氏が、22年1月の就任後、最初の3回分の給与をビットコインで受け取ると表明し、注目を集めた。