MLB開幕延期でどうなる 大谷FA権取得1年ずれる可能性、誠也&雄星交渉いまだ中断中
米大リーグ機構(MLB)は9日(日本時間10日)、選手会との新労使協定の交渉で合意できなかったため、すでに1週間の延期が決まっている開幕をさらに1週間遅らせ、4月14日(同4月15日)に再延期すると発表した。この日の交渉では金銭面の主要争点で双方が歩み寄ったが、機構が新たに提示した国際ドラフト導入案に選手会が反発。先行きが見えない状況に陥ろうとしている。
開幕再延期の影響は日本選手にとっても小さくはない。メジャーでは「1年=187日」で、在籍6年でFA権を取得できるが、取得のための“1年”には年間在籍日数172日以上が必要とされている。
今季5年目のエンゼルス・大谷翔平投手(27)は順調にいけば、6年目終了時の23年オフにFA権を取得できる。ただ4月14日に開幕したとして、在籍日数はギリギリの173日に。中止のカードがどこかに加えられることや規定が変更される可能性もあるが、労使交渉が今後も難航すればさらなる延期は必至。在籍日数が足りずFA権取得が24年オフにずれ込むことになる。29歳と30歳。契約交渉での1年の差は大きい。
また、広島からポスティングシステムでメジャー移籍を目指す鈴木誠と、マリナーズからFAになった菊池は、ロックアウトによりメジャー球団との交渉が中断。鈴木誠はポスティングの規定で、交渉期間が残り21日のままストップしている。
メジャー1年目となる鈴木誠は、1度目の開幕延期の際に、代理人がメジャーへの移籍方針に変更がないことを明かしている。決意に迷いはないと見られるが、同じ野球とはいえ異国の地。生活基盤の確立や新たな環境への順応など、限られた時間での準備は決してやさしくはない。