MLBコミッショナーがファンに謝罪 労使合意でロックアウト解除と162試合実施発表

 米大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーが10日(日本時間11日)、記者会見を開き、新労使協定で選手会と合意し、ロックアウト(オーナーによる球団施設封鎖など)の解除と従来通りの162試合実施を発表した。米メディアによると、アリゾナとフロリダで行われるキャンプは選手集合日が13日(同14日)で、オープン戦は18日(同19日)から開始。シーズンの開幕は予定されていた3月31日(同4月1日)から1週間遅れて4月7日(同4月8日)になるという。

 マンフレッド・コミッショナーは会見の冒頭で「メジャーリーグが復活し、162試合を実施するとお知らせできることに心から興奮しています」。続けて「まずはファンの皆さまにお詫び申し上げたいと思います。この数カ月は大変な思いをされていたと思います。世界で不安な出来事が存在する時期に皆さまを不安にさせることが起こった。交渉過程ではありうることですが、お詫び申し上げます」と謝罪した。

 最初の開幕延期を発表した1日の会見では時折、笑顔を見せるなどしてファンや選手から猛批判を浴びた同コミッショナー。MLBネットワークで生中継されたこの日の会見では終始、神妙な顔で記者の質問に応じていた。

 米報道によると、交渉は前日に機構が国際ドラフト導入を交渉材料に挙げたことで選手会が猛反発。期限までに妥結できず、マンフレッド・コミッショナーは声明を出し、開幕4カードを中止し、4月14日(同4月15日)に再延期すると発表した。

 しかし、一夜明けたこの日は、国際ドラフト導入案について選手会の回答期限を7月25日とし、同意した場合は選手会が要求しているクオリファイング・オファー制度の廃止を実施することで双方の意見が一致。交渉は一気に前進し、金銭面の主要争点では機構案に対し、選手会は賛成26、反対12で賛成票が2/3に達したため、機構案に譲歩する形で可決。全30球団のオーナーが全会一致で承認し、99日に及んだロックアウトを解除した。

 選手の待遇面では、最低保証年俸が昨季の57万500ドル(約6560万円)から23%アップの70万ドル(約8050万円)で、1年ごとに2ドル(約230万円)の昇給。ぜいたく税年俸総額基準額は昨季の2億1000万ドル(約241億5000万円)から9%アップの2億3000万ドル(約264億5000万円)で26年は2億4400万ドル(約280億6000万円)まで上昇。昨季まで存在しなかったメジャー在籍3年未満の選手のためのボーナス共同資金は5000万ドル(約46億円)。その他の項目では新たにナ・リーグでも指名打者制を導入し、タンキング防止策としてドラフト指名権抽選制が採用される。

 ロックアウトの解除により、広島からポスティングシステムを使って米球界移籍を目指す鈴木誠や、マリナーズからFAになった菊池らの交渉が再開される。

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