大谷翔平「もっと上を目指して」連続MVPへ向上心「フィジカルは既に去年よりいい」

 キャンプ地で記者会見する米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平=15日、アリゾナ州テンピ(共同)
 ブルペンで投球練習するエンゼルス・大谷=テンピ(共同)
 練習の合間にチームメートらと交流し笑顔を見せる大谷(撮影・小林信行)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が15日(日本時間16日)、アリゾナ州テンピの球団キャンプ施設で取材に応じ、現状や今季に懸ける思いを語った。

 健康ならば結果はついてくる。大谷の考えはシンプルだった。

 昨季は打者で46本塁打、100打点、投手としてはエース級の安定感で9勝を挙げた。二刀流の活躍でMVPをはじめ、数多くの賞に輝き、一躍、メジャーを代表する選手になった。

 昨季同様、MVP級のパフォーマンスが期待される5年目。大谷は「去年と同じようにやろうと思ったらなかなか難しい。そういう成績は残らないかなと思うのでもっともっと上を目指して頑張りたいなと思います」。飽くなき向上心を口にする。

 現在の体重は102キロ。「体重的にはほぼ去年のスタート時と変わっていないですけど、(筋トレで)上げる重量や、体の強さみたいなものは年々上がっていると思う」と大谷。「フィジカル(肉体面)は既に去年よりいい状態でここまで来ている」と言い切った。

 今オフの米大リーグは労使交渉が難航。球団オーナーたちが昨年12月に踏み切ったロックアウトは約1カ月半も続いた。「なるべく早くこっち(アリゾナ)に入ってトレーニングはしていた。(キャンプが)いつ始まってもいいように準備はしていました」。大谷は2月に水原通訳とともにアリゾナへ移動。数週間にわたり、民間のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」に通い、他の大リーガーたちを相手に実戦形式の練習を行い、調整した。

 キャンプインした前日のフリー打撃では140メートル級の打球を飛ばし、2日目のこの日はブルペンで24球を投げた。あす16日に実戦形式の投球練習を予定しているため、最速を145キロに抑えたが、練習の合間に見せる笑顔が体調の良さを表していた。最有力候補に挙がっている開幕投手には「やってみたいなというのはもちろんある。絶対にやりたい、みたいなところはないので、投げるにしろ、打つにしろ、まず開幕でいいスタートを切れるようにそこに調整して頑張りたい」と言った。

 今季からナ・リーグで指名打者制を導入。昨季まで代打要員としてベンチで待機していた試合がなくなる。今季の数字の目標を問われた大谷は「数字を決めるよりは全体的な出場数を増やすことによって(成績は)上がってくるかなと思うので、そっちの方が大事かなと思います」。さらに「健康にシーズンを通して出場することによって全体的な数を増やしていくということですね」とも話した。

 メジャー1年目の18年に新人王に輝き、昨季は満票でMVPに選出された。投手最高の栄誉、サイ・ヤング賞を受賞すれば、ニグロ・リーグ出身で62年には中日でもプレーしたドナルド・ニューカム(ブルックリン・ドジャース)、ジャスティン・バーランダー(タイガースとアストロズ)に続いて史上3人目の偉業となる。大谷は「もちろん取りたいなという気持ちはあります」と意欲を見せながらも「1年間しっかり出ないとまずは見えてこないので、欲しい、欲しいだけでは取れないものですし、やらなきゃいけないことをまずはしっかりとやることが大事かなと思います」と言った。

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