“大谷ルール”導入合意報道 マドン監督は大歓迎 外野手・大谷は「必要ない」
米大リーグ機構(MLB)と選手会が、今季から両リーグで導入される指名打者(DH)制において、DHを使わずに試合に出場した投手が降板後にDHでプレーを継続できる新ルールを導入することで暫定合意した、と22日(日本時間23日)、ニューヨーク・ポスト電子版が伝えた。
一連の報道を伝え聞いたマドン監督は「素晴らしいニュースだ」と大歓迎。昨季のMVPを満票で受賞した大谷の二刀流の活躍を目の当たりにしてきたとあって「このルールを一貫して使えるのは彼だけかもしれないと議論になるだろうが、僕らの立場からすれば、彼ができることを見れば当然のことだ。彼は真の二刀流選手だからそれは理に適っているし、彼の魅力の一つでもある」と言い切った。
指揮官は「私が好きなのは、悪い登板や悪い投球があった場合でも試合に残ることができる点だが、球数が多くなった場合は試合に残すことは考えていない」と具体例を挙げた。新ルールの活用法については「いろいろな見方がある。もう少し分析する必要があるのでまだ分からない。しかし、私の見解では5、6回まで彼がプレーする可能性があるとわかっていれば、試合のプランや策を立てやすくなる」と話した。
新ルールは大谷が史上初めて投手と打者で同時出場した昨年7月のオールスター戦で実施。大谷は一回表に打席に立った後、その裏で投球し、降板後はDHとして出場を続けて三回の打席に立った。昨季までのルールではDHを解除してリアル二刀流で出場した場合、降板後は野手として守備に就かない限り、プレーを継続できなかった。
新ルールを『ショウ・ルール』と命名したマドン監督は、現時点で大谷が外野手としてプレーする可能性を「ない。その必要はない。それは(DH制を採用していなかった)ナショナル・リーグのルールだから必要だったわけで、今はもうないからね」。ダブルスイッチや投手の打順など、ナ・リーグ独自の野球の面白さが失われることに「寂しくなるね」と本音ものぞかせた。