鈴木誠也 米初安打は中越え本塁打 打席中に打撃フォーム改造 ノーステップ打法で快音
「オープン戦、カブス-マリナーズ」(30日、メサ)
カブスの鈴木誠也外野手(27)が「2番・右翼」で出場し、四回の第3打席で米移籍後初安打となる中越え本塁打を記録した。オープン戦4戦11打席目で放った待望の一本に笑顔を見せた。
オープン戦デビューから3戦連続無安打(6打数無安打、2四死球)の鈴木は初回の打席で51勝左腕のゴンザレスと対戦。初球、高めのバックドア・スライダーを見送ってストライクの後、高めの145キロ速球に差し込まれてファウル。2球で追い込まれると、最後は外寄り高めの143キロシンカーにバットは空を切り、三振に倒れた。
バット投げつけて悔しさをあらわにしたのは三回1死一塁の打席だ。ワンボールから甘く入った119キロカーブを打ち上げて中飛。紙一重のスイングだった。
快音は10打席無安打で迎えた五回2死一塁の第3打席だ。カウント1-1からの3球目、甘く入った140キロ速球にバット一閃(いっせん)。鮮やかな弧を描いた打球がセンター左の芝生席に落ちた。米国初安打が本塁打。打席に入る時には無反応だった本拠地ファンが拍手と歓声でたたえた。
打席中に打撃フォームを変えた。最初の2球はいずれも左足をしっかり上げて踏み込んでいたが、本塁打を打った3球目だけ、左足を上げないノーステップでスイングした。驚異的な適応能力で最高の結果を出した。
鈴木は一塁を回った直後にパーンと手をたたき、小さくガッツポーズ。本塁生還と同時に1番のマドリガルにハグされて笑顔を見せた。ベンチの中では首脳陣やチームメートからハイタッチで祝福され、笑みが絶えなかった。
この日は守備でも魅せた。三回。右打ちのフランスが放った右翼線際のゴロ打球に素早く反応。捕球後、右足を軸にターンして二塁へ返球し、打者走者を一塁にくぎ付けにした。流れるような華麗な守備にスタンドから拍手が起こった。