エンゼルス・大谷 二刀流ShoTime 6回1安打0封で今季初星&2安打2打点
「アストロズ0-6エンゼルス」(20日、ヒューストン)
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(27)は20日(日本時間21日)、ヒューストンでのアストロズ戦に「1番・投手」で今シーズン3度目の投打同時出場し、今季初勝利をマーク。6回1安打無失点で自己最多タイの12奪三振を記録し、降板後には“大谷ルール”でDHで出場した。打者では4打数2安打2打点と“二刀流”での活躍で、6-0の勝利に貢献した。
大谷は「人生一ではない」としながら、メジャー5年間ではベストピッチ「かもしれない」という快投だった。六回1死までは完璧に抑え、2018年4月8日のアスレチックス戦に並ぶ、自身最多の12三振を奪う。難敵アストロズとは、7度目の対戦で初の白星となった。
切れ味鋭いスライダーと落差の大きなスプリットを軸とした。試合前のプランにマウンドからの観察眼を加え「相手が何が一番打てないかを考えて投げた」という。走者が不在でもクイック投法を使うなど、効果的にタイミングをずらした。
三回と四回に6者連続で空振り三振とし、快挙を期待するムードが高まった。完全試合については「頭にあった」と言いながら「欲をかいたところでいい投球ができるわけではない」と冷静そのもの。「球数も多かった。九回まではいけない」と緊張はなかった。六回は、元同僚の8番カストロに初ヒットを許しても表情を変えず、後続を打ち取って中継ぎに託した。
一回表は打者一巡の猛攻の立役者となった。先頭から四球で先制の起点となり、2点二塁打で自らを援護。「(打撃は)あまり良くない内容がある中で、ずるずるいかないところは多少いい」。先発投手として投げる前に2度打席に立ったのは、メジャー史上初のこと。出塁時にけん制で頭から帰塁したこともあり、今季3度目の登板前からユニホームが土で汚れていたのも“二刀流”ならではだった。
マドン監督は大谷の投球に「今まで見た中でベスト。これより上はない。不可能だ」と賛辞。六回終了時で81球。目安にしていた85球に近づいたことで交代を告げたが「選手の快挙を邪魔することはない」と、完全試合が続いていれば続投させる考えだった。
二刀流で躍動し「今後投げていく上でも大きい」という今季1勝目を手にした。